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マクロの眼

プロジェクトエンジニアを僭称(?)中

2015年4月のアーカイブ

新潟、秋田に匹敵する「日本酒王国」宮城ですが、実はウィスキーの一人当たり消費量が宮城は全国2位1位の東京の特殊事情(ビールも1位だし)を除けば実質1位とも言われるウィスキーどころであります。

もちろんその要因はニッカ仙台工場、通称「宮城峡蒸留所」の存在が大きいわけですが、かつてバブルの呪いによりニッカは「衰退」とも言われ、実際毎年「シングルカスク」を買いに行くたび、どんどん工場の見学者が少なくなり、ほとんど案内の女史とマンツーマンの時すらありました。

かつて創業者竹鶴氏が、新川の川の水で水割りを作り、この地に第二の蒸留所を立てる意思決定をした際、「ところでこの川の名前は?」と聞いて「ニッカワ」という答えが返ってきたという出来過ぎた話により、ニッカの「約束の地」と言われるこの宮城峡。その宮城峡もいよいよ命運も尽きかけたかのように思われていました。

ところが2015年、某国営放送の威力により、驚くべき光景がそこに現出したのでした。

February 22

【宮城峡】
思い立ちて、朝にニッカウイスキー宮城峡蒸溜所に、ウイスキーを買いに立ち寄るなど。
0900から見学が始まっているとは。

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朝から見学者多数

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まさかの高校時代の同期の弓道部OBチームに出会うなど、マッサン効果により、二月としては異例の混みよう。売店が文字通りごった返すのを初めて見ました。

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ところで、仙台工場名物「シングルカス」が、何と「終売」。有料バーコーナーでしか飲めなくなっています。
最近「竹鶴12年」も終売になっており、いよいよ原酒不足が深刻化している模様。

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マッサン効果に加え、数年前からのハイボールブームが原因と言われておりますが、グローバルに目を向けると、実は世界的にウイスキーが不足しているっぽい。
これは、かつての途上国の人々も豊かになり購買力が上がり、高品質のウイスキーの需要が増えているからとか。

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アジアで世界で戦える蒸溜所は余市、宮城峡、山崎、白州ぐらいですが、「こんなの一過性のブームだから」と保守的な意思決定をしていると、大きなビジネスチャンスを逃すかもですなぁ。

-- at ニッカウヰスキー仙台工場.

カサマは中学時代にバブルが崩壊し、社会人になってからは(特に地方民としては)不況しか見たことがない、景気のいい時を知らない「ロストジェネレーション」。

年齢が上がれば自然と給料が上がる、というもはや過去の神話でしか聞いたことがないおとぎ話と逆に、基本的に年齢が上がれば上がるほど労働市場で価値がなくなり貧しくなっていくという常識を実装してしまった「失われた世代」。

そのため、同世代の起業家・企業家と話をすると、何かの生産量を上げるという積極的な意思決定を苦手とする世代とも感じられ、増産や投資といった意思決定を恐れる、というか、仙台大観音像に象徴される死屍累々を目の当たりにしてきた我々は、「そんなことやったって、どうせ後で苦労するんだ」と冷めた目で見てしまうことが、体にしみこんでしまっていると言えます。

「仙台大観音、墜ちろ!忌わしい記憶と共にッ!」(by 朱い彗星)

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実際、マーケティング理論の主戦場もマスを相手にするようなものよりも、One to One マーケテイングやCRM (Customer Relationship Management)など、市場シェア&売上高主義よりは顧客内シェア&利益主義のトレンドもそれを後押ししており、カサマはもろにそうした思想教育をビジネススクールで施されているのでした。

ところが、ビジネススクール初日に行われた「マネジメントゲーム」で社長役を担った際、「初期に限界一杯まで借入れを行って設備投資を行う」という意思決定を行ったところ、他社を圧倒する成績を我がチーム「株式会社自営隊」は残すことができたのです。それはかつて遡ること10年前、カサマが宮城大学時代のマネジメントゲームで、この手のゲーム勇気を出して積極的意思決定を早くやったものが勝つ設計になっていることを知ったから。ただし同じ意思決定をする者が他にいないこと。そして自分の同世代が、同じ意思決定を世代の定めから出来ないことを知っていたから(同じ意思決定をする者がいると、下手すると債務超過でゲームオーバーになる可能性がある)。

『勇気』とは『怖さ』知ることッ!『恐怖』を我が物とすることじゃッ!」(by ツェッペリン男爵)

そういえばゼルダ姫は、神々が地上に残した力「トライフォース」には「知恵、力、そして勇気」の三つがあると言っていました。

あるいはその昔、勇者ロトは精鋭の仲間と共に経験値を重ね、勇気をもって大魔王を倒したと聞く。

そう、我々は「ロストジェネレーション」であると同時に、「ファミコン&週刊少年ジャンプ世代」。

「勇気」というヒントは現実の中ではなくて、8ビットで3メガバイトの中にあったんだよ、キバヤシ!

なんだってー.jpgのサムネール画像

こんな現実と電脳の世界をボーダレスにわたる、我が同世代たちよ。とりあえずバブルの塔「仙台大観音」の攻略は私が引き受けたッ!

いざ、我らの「約束の地」へ。

俺の屍を越えてゆけ!

この記事を書いた人

笠間 建

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