■宮城県美術館
宮城県美術館は1981年(昭和56年)に開館し40年近く経ちましたが、2018年に「リニューアル基本方針」が策定されました。ところが突然、昨年の暮れあたりから「移転」の話が公表されました。
宮城県美術館の設計は日本建築界を代表する建築家、故前川國男氏によるものです。上野の東京文化会館(1961年)や東京都美術館(1975年)、弘前市民会館(1964年)など戦後を代表する多くの文化施設を設計しています。これらは、リニューアルによりよみがえり永い期間、多くの人々に利用されてきました。
移転しなくとも、今のロケーションが美術館としての最高の立地ではないでしょうか。古くても価値のあるものは、構造補強等の技術を駆使して残すことも必要と考えます。この建物自体が美術作品ではないでしょうか。
※写真は、現在の宮城県美術館