■ひな祭り
3月3日はひな祭り。女子の健やかな成長を祈る節句の年中行事である。
いつ頃から始まったか歴史的には不明であるが、平安時代に貴族女子の雅な「遊びごと」として行なわれていた記録はあるようだ。はじめは遊びごとであり、川へ紙でつくった人形を流す「流し雛」や雛人形は「災厄よけ」の「守り雛」として祀られるようになった。江戸時代になり女子の「人形遊び」と「節句の儀式」と結びつき全国に広まり飾られるようになったようだ。
飾り方にも地方によって色々あるが5段、7段飾りは高度経済成長期以降多かったが、現在は部屋の大きさに合わせ段数を減らしたものが主流のようである。社団法人日本人形協会によると、男雛を向って左に置くのを「現代式」、右に置くのを「古式」と称している。写真は50年以上前の7段飾りであるが「現代式」となる。
ひな祭りの日が終わった後も雛人形を片付けずにいると結婚が遅れるという話は昭和初期につくられた俗説のようだが、物事を期日まで完了させ、きちんと片付けるけじめは何事においても大事なことである。