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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2016年2月のアーカイブ

最新情報です!

今年(2016年)の6月4日(土)・5日(日)に

「全国餃子まつり in 仙台」

が、東西線「国際センター前」駅北側駐車場広場で開催されるそうです。
もちろん「全国餃子サミット公認」のイベントです。

これまで全国各地で行われてきた「餃子サミット」がついに仙台上陸と言う話。
今年のサミットは宇都宮で行われるそうですが、とにかく仙台でやってくれるのはありがたい。

もちろん「仙台あおば餃子」をはじめ、全国の有名餃子が10種類位はあつまるそうです。
皆さん、是非予定に入れておいた方が良いですよ。

****************

で、そんな話を聞いたので、今回は「餃子」の話を少し。

前記の通り、餃子だけで祭りが出来て、10万人とか集まるくらいですから、
世の中には、餃子好きがたくさんいるのは間違いないわけで、
餃子にまつわる話も、色々なところでたくさん出てきます。

そんな中、私の興味は例によって、ちょっと曲がっているので、
「そもそも餃子の『餃』って、どういう意味なの?」
ってとこが気になり調べましたら、割と意外な情報が。

そもそも餃子の『餃』って、「餃子」以外には使わないですよね。
だから、その読み方も「ギョウ」だけかと思っていたら、
「コウ」とも「キョウ」とも読むとのこと。
でも、その読み方で表記する場面など、ないと思うんですけどね。

さらに驚いたのは、「訓読み」が存在し、それが「あめ」だということ。

「雨」ではなくて「飴」の「あめ」です。
つまり、なめる飴を「餃」と書いても間違いではないらしいのです。


漢字の成り立ちとしては、「餃」は「食」偏に「交」で、
色々な食べ物を混ぜ合わせたものの意味の文字との事。
で、混ぜ合わせるので、結果「ねばねばした食べ物」の意味を持ち、
つまり「あめ(飴)」の意味にもなったという事らしいです。

一方の「飴」は「食」偏に「台」で、
「台」には、「大地に鍬(すき)を入れて柔らかくする」という意味があるらしく、
「やわらかい食べ物」=「飴」という事らしいです。

「餃」が「飴」とは、此れ如何に!

しかし、これが成り立ちだとすれば、「餃子」の中身は、
「ねばねば」してこそ、という事になるので、
固形物を餃子の皮で包んでも「餃子」ではないのではないか、と。


まぁ、そもそも古くは「餃子」「饅頭」「包子」は境界があいまいで、
しかも「餃子」は日本で独自進化を遂げてしまいましたから、
いまさら特別に定義を前提にして認定すべきとは思いませんが。



ちなみに、日本で「ねばねば」の代表格と言えば「納豆」(個人的な見解ですが)
ですから「納豆餃子」は非常に字義的に由緒正しい食べ物ではないかと思いましたら、
yahoo検索で「納豆餃子のレシピ」で1,490,000件も出るほどにポピュラー。

その上、さらに「飴」の要素も混ざれば、字義的にはパーフェクト!
でも、ちょっと食べたくはないかな、と思いつつ
「納豆餃子飴」で調べたら、なんとナント121,000件もヒット!

しかし、実在するのではなく、「スマイルプリキュア」という美少女アニメに登場する
架空のお菓子(飴)なんだそうです。

もし、これを考えた人が「餃」=「飴」を知っていたとしたら、
素晴らしい知識人ですね?!。

****************

なんだか「餃子」自体とは関係ない話になってしまいましたが、
とにかく『餃』には、「包む」意味も、調理法的な意味も、
食材を限定するような意味も、ない事がはっきりしました。

ということは、「餃子」は色々な食べ物と交わって良い、
かなり自由度の高い、それもかなり制限のない、食べ物なのかもしれませんね。

・・・・いや、字義的に、ということではありますが。

画像は、壱弐参横丁にある「一番五郎」さんの
仙台雪菜を練り込んだ皮を使った「仙台あおば餃子」。

ここも「全国餃子まつりin仙台」に参加するそうですよ。

先日、組合員と待ち合わせて塩釜に行く機会がありました。

待ち合わせ場所は、本「塩釜」駅。

その後、ちょっと調べものに行った役所は、「塩竈」市役所。

そして、つい1か月前にたくさんの参拝客を集めたのは有名な、「鹽竈」神社。

「しおがま」には、この三つの表記が混在しています。
どれが正しいのか?と言えば「鹽竈」ですが、「鹽」の文字は一般に使用されないので、神社以外では当用漢字の「塩」に置き換えられて仕方なし、という事で、市としての正式名称は「塩竈」市となっています。

でも、「竈」の文字も21画あって難しいので、使用上は「竈」でも「釜」でもどちらでも良いという事になっているそうですが、「竈」と「釜」は厳密には意味が違います。

「竈」は上に鍋釜を乗せる「かまど」の意味で、「釜」は上に乗る「かま」の方です。

なので、役所としては「竈」の文字を啓蒙しようと、特別に専用のHPも設けて、書き順から説明しています。

ぜひ閲覧してみてください。

「竈」の字について



それはそれとして、やはり神社好きの私としては、「鹽竈神社」の話をしたいわけですが、書きたいことが色々たくさんあって大変なので、ほんのさわりだけ、語らせてください。


日本にはいわゆる「神社」と言うものが、小さなものまで含めると20~30万社はあると言われています。

この内、文化庁が正式に把握しているものが約8万8千社強。

その中で神職の人が常駐している神社となると約2万社だそうです。

現在では原則として「全ての神社は同格」(伊勢神宮は除く)とされていますが、かつては「社格」と言うものがあって、神社は位付けされていました。

歴史と共に、色々な位付けがあるのですが、その最も古いものが、927年にまとめられた「延喜式」(えんぎしき)に「神名帳」(じんみょうちょう)としてリスト化されて出ている2861社で、この「延喜式神名帳」に掲載されている神社を特に「式内社」(しきないしゃ)と言います。

式内社の中でも位付けがあるのですが、とにかく「式内社」と言うだけで、古来よりの縁起と霊験がある、由緒正しい神社という事になるわけで、現在でも有名で立派な神社のほとんどはこの「式内社」に該当します。

対して、「延喜式神名帳」に載っていない(リスト化されていない)神社を「式外社」(しきげしゃ)と呼び、これには「延喜式」の編纂当時に存在しなかった神社や当時の朝廷の勢力範囲外や独立勢力の神社が含まれます。

で、「鹽竈神社」ですが、これが「式外社」なのです。

創建は「延喜式」編纂よりもずっと前で、当時でも十分有名な神社だったのにもかかわらず、です。

それが証拠に「延喜式」の前、820年に撰進(せんしん=書物を天皇に奉る事)された「弘仁式」では、「鹽竈神を祀る料壱萬束」と記載されていて、祭祀料10,000束が朝廷から寄進されているという記述があるのです。

また、「延喜式」自体にも、先のリスト「神名帳」には出ていない(式外社)鹽竈神社に10,000束を寄進する旨の記述があるのです。
鹽竈神社以外に朝廷から寄進を受けている神社は、式内社2861社中の3社のみでそれぞれ、2000束、2000束、800束であることを考えると、式外社の鹽竈神社に対して破格の扱いであることがわかります。

ちなみに「束」(そく/つか)とは、稲の量の単位で一掴みの稲束が「一把」(わ)で、1束=10把。一掴みというくらいなので、元は目分量の単位ですが、だいたい両手の中指と親指とを合わせたサイズが「一把」というのが基本だったらしいです。現在の量で言えば、1束はだいたい米4升くらい(当時は1升=1把でしたが、当時の1升は現在の0.4升くらい)。なので、10,000束と言えば米40,000升、約60,000kg=60tのお米に相当しますでしょうか。
さらにちなみに、当時の陸奥の国の税収が603,000束と言う話ですから、ここからも10,000束というのは、単独で寄進される額(量)としては、相当なものだという事が分かります。

この破格の扱いにもかかわらず、「式外社」であるというナゾ。

また、「鹽竈神社」は「左宮・右宮」として「武甕槌神(たけみかつちのかみ)・経津主神(ふつぬしのかみ)」が同一社殿の左右に祀られ、この本殿と90度向きが違う場所に別宮として「塩土老翁神(しおつちおじのかみ)」が祀られるという、とても特殊な形態で三神が祀られています。

このような形態は他に類を見ません。

何故このような形態になったのかと言うナゾ。

これらのナゾを考察するだけでも、「鹽竈神社」は大変興味深いのですが、この気持ち、伝わりますかねぇ。

IMG_4928.JPG雪の鹽竈神社。

左側が本宮で右側が別宮です。

お近くにご訪問の際には、ぜひ参拝を。

この記事を書いた人

斉藤 一則

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