「ダダ」と言えば、大概の人がウルトラマンに出てきた怪獣を思い出すでしょう。
白黒の変な模様の、アレ、です。
でも、実はこの「ダダ」と言う名前、
20世紀初頭にあった芸術運動「ダダイズム」から取られた名前との噂。
「ダダイズム」の詳細は、Wikiでも確認していただければと思いますが、
私的な無茶な要約をしますと、「既成の価値観の否定」があって「普通じゃないカンジ」を
出しているもの、というイメージです。
私が初めて(怪獣じゃない方の)「ダダ」というものに触れたのは、
学生の頃に読んだ「建築探偵の冒険」という本で、
東大の建築の先生(当時)である藤森信照氏が書いた、東京の面白い建物を紹介した本でした。
この中に「東洋キネマ」という神田神保町にあった映画館が出ていまして、
この建物を「現存する唯一のダダ建築」みたいに紹介されていました。
(画像は、「東洋キネマ」で検索すると出てきますので、見てみてください)
まぁ、色々と「ヘン」な建物でして、
シンメトリーで、バランスが良い感じは一切なく、
一つの建物なのに、4棟がくっついたようなファサードだし、
無駄な装飾とか機能があって、
その分、なんだかインパクトはすごくある建物でした。
残念ながら、この建物が現存するうちに実物を見ることはありませんでしたが、
私の中での建築における「ダダ」の最も大きな規範になったのは間違いなく、
その後、ちょっと面白い建物を見ると、勝手に私の中で、
「ダダっぽい」というタグをつける癖があり、
そういう建物は、見入ってしまうことが、実は多々あります。
で、少し前に米沢に行った際に見つけたのがコレです。
看板は「寫眞館」となっていますが、
この古い感じとか、アシンメトリーなデザイン、
建物内の空間利用が想像しにくい窓の付き方など、
私の中では、とても「ダダっぽい」建物です。
美術史的には「ダダイズム」というのは10年程度の短い期間に盛り上がったもので、
これがその後の「シュルレアリスム」へとつながるという事らしいですが、
正直なところ、表現されたものに対して、それがどの芸術運動と関連しているのかは、
多分に思想的な部分もあり、見た目で簡単には判断できません。
が、とにかく、私の中では、こういう「ちょっとヘンな感じのもの」は、
「ダダっぽい」という箱に入れています。
未だにガラケー、しかもPHSという携帯電話を使用している私としては、
都合よくカメラを持ってないと、ちゃんとした画像は撮れないのですが、
またどこかで見かけたら、ご紹介したいです。