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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2014年1月のアーカイブ

  昨年末、あるオーナー様から「日めくり(カレンダー)」を頂戴いたしまして、中々のサイズだったので、今年はこれを私の席の後ろの壁に取り付けまして、毎日めくって見ようか、と。

で、あらためて書かれていることを見ますと、まぁ月日・曜日等は当然としても、その他の情報も色々あるなぁ、と。

でも、考えてみると、その意味がイマイチわからないものもあるな、と思って、今回のお題です。

まず、本日の日めくりがこれです。

140109-1.jpg 

右上には、「平成26年」の下に「昭和89年」の表示が。

なるほど、昭和生まれの人にとっては、この表示があると、自分の歳を再認識するのに役立つな、と。

丸に「大」の表記は、今月が大の月(31日まである月)であること意味で、その左の丸に「旧」は旧暦での日付であるな、と。

右下には、その日に予定される行事が書かれていて、本日は「宵えびす」「初辰」なのか、と。

140109-2.jpg「宵えびす」とは、10日に全国のえびす神社で行われる「えびす祭り」(十日戎、えべっさん、とも言う)の前日のことで、要は前夜祭、つまり「えびすイブ」みたいなものらしい。

「初辰」の方は、毎月最初の辰の日のことで、 この日に参拝すれば、より一層力を与えて守り助けてもらえると信仰されているらしい。 そして4年を一区切りとして、48回参拝すれば、満願成就となる、と。48回の辰で「四十八辰」=「しじゅうはったつ」、つまり始終発達するという意味である、と。

今まで、全く縁のない行事でしたが、こういうものもあるのだなぁ、と感心。

 

その左には、二十八宿」「奎」と書かれており、その日の行動に対する吉凶が。

なるほど、今日は建築や旅行等をするのに吉日らしい。

そもそも「二十八宿」は、中国版の十二星座みたいなもので、天空の天の赤道を28に分けて、そこにある星(と、いっても中国名の星ですが)の名前を言ったものです。

方位や月の動き、暦と連動していて、その日の月がどこにいるのか、で判断してます。

月の公転周期が約28日なので、これに合わせて「二十八宿」となっているとか。

詳しくは、ウィキペディアでも確認して下さい。

とにかく、「日めくり」の表示的には、ちゃんとその日の吉凶が書いてあるので、意味はわかるかな、と。

 

140109-3.jpg問題は、左下にある、八白」「友引」「かのえ」「たつ」ですね。

「友引」に関しては、六曜の一つで、日常的に会話にもでますから、今日は葬式等はやっちゃいけないとか、まぁ、わかります。

「六曜(六輝)」は中国で生まれたもので、1ヶ月≒30日を五等分して、それぞれの日を星毎に区分する為の単位として生まれたらしいです。

しかも、かの諸葛亮孔明の発明で、軍略等の勝負事に関する運勢をみるために使われたという俗説があるそうです。

一応、先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口と順番が決まっているのですが、旧暦の各月の1日が何になるかが決まっているので、そのタイミングで順番がずれるのですね。

また、その昔は、「赤口」以外の表現は全て今と違うものだったようです。

「仏滅」も元は「物滅」でさらにその前は「虚亡」といっていたので、現在の印象とは若干違うようですが。

一応、現在での意味も含めてまとめてみました。(文字が小さくてスイマセン)

時間帯でも吉凶は違うんですね。

六輝.JPG

で、残りの3つです。

 

まず、八白」の方は、これまた中国発祥の「九星」という民間信仰の分類で、「一白水星」「二黒土星」「三碧木星」「四緑木星」「五黄土星」「六白金星」「七赤金星」「八白土星」「九紫火星」と9種類あります。

元は、3×3の魔法陣から来ていて、タテ・ヨコ・ナナメどの方向の3つ数字を足しても15になる下記の様な図が基本になっているそうです。

九星.JPG

 

方位との関係もあり、また、色も塗り分けたように決まっています。

北側の「6」「1」「8」は全て「白」で、それ以外には1色ずつ割り当てられています。

また、これが「木火土金水」の「五行」とも関連付けられて、それぞれに「土星」とか「火星」とかが付いているわけです。

ここでいう「土星」等は、惑星の名称としての「土星」とは関係ありません。

その昔、表記の際に書いた「点」を「星」と読んでいただけで、相撲の「白星」とか「金星(キンボシ)」等と一緒ですね。

で、この「九星」は、その昔から毎日続いていまして、その流れで、本日が「八白」ということのようです。

ちなみに、明日は「八」の次で「九紫」となるわけですが、数字が増えていくのは冬から夏にかけてで、夏から冬にかけては、数字が逆に減っていきます。

しかも、九星は日にちだけでなく、年単位や時刻単位でも決められているので、ちょっとややこしいですが。

それで今日が「八白」であることで、どうなんだ、というと、生年月日によって決まる個人の「九星」との関連において、その人の運勢がわかるらしいのですが、それとともに、その日の運勢・吉凶もやはり表しているらしいです。

例えば、こんな感じ。

「一白」・・・予期せぬ出来事がある
「二黒」・・・人との交際に縁あり
「三碧」・・・八方塞がりかまわりから引き立てを受けちやほやされるかどちらかになる
「四緑」・・・物事がひっくり返りやすい
「五黄」・・・喜びごとがある
「六白」・・・変った事が起こりやすい
「七赤」・・・注目を集めやすい
「八白」・・・考え事をする日になる
「九紫」・・・旅行には注意が必要

・・・・・・まさしく、考え事をする日にはなっている気はしますが。

 

さて、残りは二つ。

「かのえ」は「十干」、「たつ」は「十二支」だということは、まぁ、ご存知かと。

そもそも、「干支(えと)」というと、「子丑寅卯・・・」の「十二支」だけを思い浮かべると思いますが、本来は、「十干」の「干」と「十二支」の「支」を合わせて「干支」なので、その意味では一組で考えるべきものです。

「十干」は、「九星」のところでも出てきた「木火土金水」の「五行」が元になっており、これが陰陽思想の「陽」と「陰」に分かれているので、5×2で10・・・「十干」となっているわけです。

「陽」と「陰」はそれぞれ、「兄(え)」と「弟(と)」として表現されましたので、「えと」という読みは、これが元になっているようです。

で、例えば「五行」の「木」に「兄(え)」と「弟(と)」があるので、「木(き)の兄(え)」=「きのえ」=「甲」、「木(き)の弟(と)」=「きのと」=「乙」、と、なるわけで、本日の「かのえ」は、金(か)の兄(え)」=「かのえ」=「庚」というわけです。

順番は、「木火土金水」の「兄」「弟」の順なので、「きのえ」「きのと」「ひのえ」「ひのと」・・・と続き、これに漢字一文字を当てたのが、「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」の10文字ですね。

さらに、「十二支」の方と一組ずつ合わせて行くわけなんですが、最初は「甲」と「子」なので、「甲子」=「きのえね」から始まっていくのですが、「十干」と「十二支」は数が合わないため、11番目は「甲」と「戌」になり、ずれていきます。

どこで、一周するかといえば、10と12の最小公倍数の60になるので、これが「還暦」というわけですね。

そう、いつの間にか年単位の話になってしまいましたが、この「干支」も、年単位にも日単位にも使われるので、日単位の方の干支は60日で一周しますから、本日と同じ「かのえ」「たつ」という組み合わせは、60日後の、今年で言えば3月10日にまた出てきます。

これまた大変古い中国発祥の信仰なので、最初がどこなのか、と言うのは諸説あったりするのですが、とにかく昔から続いていて、今日が「かのえたつ」なのだと、そう言うふうに思うしか無いとは思いますが。

で、「かのえ」「たつ」の日だから、何なのか、ということなのですが、これも「九星」と同じで、各個人の生年月日から決まるその人の干支と、その日、その年の干支との関係で、その人の運勢なり、吉凶が占える、ということなのですが、一応その日の運勢的なものも、あるようです。

若い方はピンと来ないかもしれませんが、かつては「丙午(ひのえうま)」年生まれを避けるように、出生率が明らかに下がるほど「丙午」が嫌われてたことが有ります。

これは、「丙」=「ひのえ」=「火の兄」で、「火」の「陽」を持った激しい「気」と、「午」=「うま」が持つ、同じく激しい気性の組み合わせで、この年生まれの人は、人間関係においてトラブルを起こしたり、犯罪者になったり、女性では、結婚してもその激しい気性のため、夫婦関係が続かないと思われていたからで、かの「八百屋お七」(とっても、これまたピンと来ない人が多いかもしれませんが、江戸時代に恋人に会いたいがために、江戸中に大火事をおこしたと言われる人です)も「丙午」生まれだったという俗説から、一層信じられるようになったようです。

そんなわけで、それぞれの「十干」と「十二支」にも意味があるのですが、諸説ありすぎなので、一例を含めて、下記にまとめてみました。

「陰陽」「五行」「九星」「十干」「十二支」に、方位や季節との関係も含めて、とにかく、複雑なので、だから「占い」になるんだろうとは思いますが。

ちなみに、本日の「かのえ」「たつ」の日の運勢をこの表から考えてみると、「自分の中の充たされない何かに気づき、これから良い方向に変化を開始する日」と、でも、占い師の方なら言うのでしょうか?

十干.JPG

・・・・それにしても、今回のブログ長すぎですね。

 

 

 

この記事を書いた人

斉藤 一則

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