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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2010年5月のアーカイブ

最近、"歴女"ブームもあって、テレビでもお城の特集をよく目にするような気がします。

ちょっと前の「タモリ倶楽部」でもやってましたね。

で、私としては、ふと、
「お城」って何で「しろ」っていうのか?
が、気になったわけです。

調べてみましたら、面白い話がありました。

もともとは、敵の攻撃を防ぐために立てこもるような構築物を「き」といい、
「柵」や「城」の文字を充てていたのだそうです。
その後「城」の読みは「き」もしくは「じやう」と音読されるようになります。

時は経って、奈良時代のころ、奈良山の背後の地域(現在の京都府南部)を、文字通り山の後ろなので「山背」と書いて「やましろ」と呼んでいました。平城京に都があった頃です。

そして794年(「なくよ(794)ウグイス平安京」って語呂合わせが有りましたね)、長岡京を経て平安京に遷都される時に、桓武天皇が「平安京」の命名と併せて、この地は、山河が要害となって自然のお城のようであるとの事から、「山背国」を「山城国」とするとの詔をだされたそうです。

このときに文字だけ「山城」にして読み方は「やましろ」のまま残したようで、この「山城国」を言う時だけ「城」を「しろ」と読み、それ以外の「城」は「き」もしくは「じやう」と読むのが正式で一般的でもありました。

ところが「山」が「城」なすところを「やましろ」と呼ぶようになり、また実際に山に城を造って国を治める時代が来たこともあって、実態とイメージと文字と読み方が見事にリンクしてしまったようで、中世後期以降、「城」を「しろ」と読むのが定着したのだそうです。

つまりは「しろ」と言う言葉には、もともと「城」の意味はなかったわけで、桓武天皇の思いつきと後世の人々の感覚から出来た言葉と言うわけです。
おもしろい話だと思いませんか?

そうすると、ついでというか、「家」が何故「いえ」なのか?が気になります。

こちらは諸説あるようですが、旧かなでは「いへ」なので、
「寝戸(いへ)」や「睡戸(いへ)」が語源であるとの説にいきあたりました。

「家」は寝る場所と言うわけです。

他にも、「い」は接頭語で「へ」は容器を表し「人を入れる入れ物」の意味だとか、
「小さな家」を表す「庵(いほり)」の「いほ」と同源だとかの説も有りましたが、
私的には、やはり「寝る場所」というのが最もしっくりきました。

ちなみに「おうち」の「うち」は「内(うち)」「外」の「うち」から来ているようです。
家の中は確かに「内」ですからね。
関西等で自分のこと(一人称=私)を「ウチ」と呼ぶのも、同源だそうです。

ここまできたら、さらにさらに、
「塔」は何故「とう」というのか?も気になりまして、調べました。

こちらは、梵語の"stupa"(ストゥーバ、卒塔婆のこと)からきているそうで、「塔」の漢字は、ストゥーバの音にあてられた漢字「率都婆」から「塔婆」に変化し、「塔」と省略されたことによるそうです。

あのお墓に建っている「卒塔婆」と同じなのですね。

着々と建設が進んでいるスカイツリーも、日本語の「塔」の語源からすると、
巨大な「卒塔婆」と言うわけです。

・・・・・なんか、これをテーマにして伝奇小説でも書けそうです。

IMGP0013.JPG

※建設中のスカイツリーのちょっと前の写真です。首都高中環状線から撮影したものですが、今でもこれですから、完成時のインパクトは相当なものでしょうね。

私の会社では、年に4回「マイザニュース」という新聞をつくり、御世話になっているオーナー様や仕事関係の方にお配りしています。

毎回記事を考えるのに苦労するのですが、仕事と関係のない話しが多いせいか、結構ご好評をいただいております。

最新号では、江戸時代の時刻の名称と現在の時刻との相関に関して整理して掲載した記事も載せたのですが、これがまた結構な反響を頂きましてた。

例えば、「丑三つ時」「暮れ六つ」「七つ立ち」等が現在の何時になるのかとか、「午前」「午後」と言う言葉も「午の刻」より「前」と「後」だからとか、「おやつ」は本来「お八つ」で「八つの刻」あたりに食事をしたことに由来する、等の話をまとめた記事でした。

実は、その記事を書いているときに同じような流れで気になっていたのが、午前、午後を表す「AM」「PM」という表記です。
先の午前・午後と同じような考えであれば「M?」に正午の意味があって、その前と後を意味する「A?」と「P?」の言葉を合わせて頭文字をとったんだろうなぁ、という予想はつくのですが、これに当てはまる英単語が見つかりません。

調べてみると、もとはラテン語でした。

ラテン語で昼間のことを「Meridiem」といい、正午より前が「Ante Meridiem」、後が「Post Meridiemと言うそうで、この略が「AM」「PM」なのだそうです。

予想は当たっていましたが、英語でないとは思っていませんでした。

・・・・・・・こんな、建築に関係のない話しが結構載っていたりする「マイザニュース」にご興味がおありの方は、お近くのエリアマーク組合員に御声掛け下さい。
いや、もちろん、建築不動産に関する記事も載っていますよ。少しは・・・・。


ちなみに、私の古い友人の中に、コンビニの「am/pm」を「アンパン」と呼ぶ奴がいましたが、これは正しい略称なのでしょうか?

ampm.JPG

記事と関係有りませんが「アンパン」です。

この記事を書いた人

斉藤 一則

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