食文化創造都市。
鶴岡の夜は、平日なのにシゴトモ女子で満席の賑わいです。
あら!と声がけするReiさんに、応える彼女も帰化女子たち。
丸っと太った前浜の鰯マリネと山麓のシャルキュトリ、
とりわけ肉感しっかり・しっとりした庄内豚のリエットはスプマンテ。
余りの美味しさに、フォークを躊躇う地フグのフリット・ガザエビの
アメリケーヌソースは皿ぬぐいながらシャルドネで。
あぁ、うまい。
テーブル女子が、うっかり異口同音する普段言葉に
しみじみとした美味しさが伝わります。
歓談合間の一瞬、
〆はパエリアでございます。
妙齢さておき黄色い歓声が沸き立つ中、主演が御登場。
この際は、スペインの赤もありですね。
それでは、タイワインはいかがでしょう。
タイ?!
その低緯度帯のワインは、
タイ産ポックダムという、ブラッククイーンの突然変異種85%に、
南仏の番頭・シラー15%で醸造した気軽なワイン。
ちょっぴりスパイシー、でも北のアムレンシスにも似た上品で爽やかな野趣の酸味。
それを南のシラーがライトの手前でミディアムに寸止めしています。
壁飾りではなかった鍋が、エスパーニャ?ジャポネ??フレンチ???な
鶴岡パエージャを炊き、想定外のタイワインと出逢わせます。
そもそもバレンシアは日本と同じジャパニカ米ですが、
それを飯米ではなく、知り合い農家さんから分けていただいた酒米で頂戴。
銘店ル・ポットフーから各地を巡り、
子どもの頃に、大好きだった洋食屋さんの名前を冠して開店。
鶴岡の大地の林檎が、これから花咲き実となるプロセスを五感で愉しめる幸せ。
東北の食は、豊かで・実にクリエイティブです。
※Pomme de Terreの酒米パエージャ。彼もまた、鶴岡帰化人。