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四方山雑記帳

東北・宮城・仙台マーケットの小ネタ小ばなし

2016年8月のアーカイブ

ジリジリ暑い、道路が熱い。
蝉しぐれの街道を、町役場で右折すると、蒼色涼しい道の駅、端縫いの里に
到着。その昔、女たちが布をハギ合わせて盆踊りのハレ着を競った、Her Nui
なオシャレが伝わる羽後は、蕎麦bienな町でもあります。

何と言っても名物「冷がけ」は、少し甘めのさらりとしたツユをたっぷり盛った
昼からビールの絶品。いわゆる"ぶっかけ"ではない「冷しかけそば」です。
佐渡の七右衛門蕎麦も彷彿とさせる西馬音内の味は、文政元年から二百年
続く時を超えた美味しさ。行き交う旅人をもてなした中に、本日自分も仲間入
りの悦びは、本店で食べて、道の駅で食べる程の素晴らしさ。

百姓の七男だった弥助が放浪し、大阪砂場で蕎麦打ち修業後ふらりと帰郷。
布海苔をつなぎ十一で打つへぎ蕎麦ながら、蕎麦の香味芳しく、しっかりと
した食感につるりとしたのど越しは、弥助そばならではの仕事。

くりかえし、同じ時節、同じ年月を重ねて来た中に、店の精進と客の贔屓が
百年単位の生業を続ける地域力の豊かさが、もう一つありました。

※冷がけ大盛。本店ではこれに鰊も美味。漬物・天種・ビールの至福です。

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この記事を書いた人

大志田 典明

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