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四方山雑記帳

東北・宮城・仙台マーケットの小ネタ小ばなし

2015年9月のアーカイブ

豊かでうつくしまな福島は、くだもの王国でもあります。
今夏の暑さは果実に幸いし、甘く・多汁な出来栄えが
久方ぶりに高値を付けて感涙です。

その名もフルーツの伊藤園は、水稲、養蚕と続いた4代目で
果樹栽培も半世紀を経つマイスター。 
豪雨の合間の一瞬の碧天の下、高尾、ピオーネ、シャインマスカット
の美しき圃場の先に、樹齢20年の巨峰が風を伝えて豊穣の時を
待っていました。

その房は、葡萄の規格とされる長円錐ではなく、二対になったやや
小ぶりの短円錐。
だって、こっちのほうが食べやすいし、二人で分けられるし、可愛いだろ。

イトーさんは、そっと袋を外し、見事なブルームを落とさないように指さして
コレ、撮って。

その香り甘美・その味わい甘露。
皮ごと食べられる嫋やかな作り方に、同業の農家さんも舌を巻くそう。
そうだ、この種ナシ巨峰を干してみよう。
イトーさんの嗜好は錯誤なく、何とも素敵な巨峰レーズンも誕生させました。

そのレーズンに出会ったいわきのショコラティエが、ただいま新スイーツ開発中。
福島の農家と福島の菓子屋が出逢って
福島ならではの地域資源・自分たちならではの発想で付加価値化し
福島の風評を、自ら取り除く。

成長挑戦という復興ステージにエールです。

※デュエットと名付けられた一種性双生房のイトーさんの巨峰。
  百聞は一見かつ一食ものです。

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この記事を書いた人

大志田 典明

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