琥珀に埋もれた古代の蚊から、DNAを抽出して恐竜が復活する。
科学技術はさておき、コレが可能な琥珀は久慈だけ。
世界三大産地の中で、バルトもドミニカも新生代の琥珀。
唯一、久慈だけが恐竜闊歩の白亜紀地層なのです。
鳥に進化する途上で落とした"羽毛"が入ったスミソニアン級の
原石・フェアリは、まさに妖精。
どこまでも深く、しかし透明な久慈産琥珀は、その希少性の一方
堅く・もろいため、地表に露出し空気に触れた途端に割れてしまう
といいます。
ジュエリーとなるのは全採掘量のたった35%。
65%は残渣として行き場のないカケラたち。
そのとき専務に閃いたのは、もともと樹脂が固まった琥珀なら、
もう一度塊りになるハズ。
科学技術振興機構の支援事業で、ついに加圧成形技術を開発。
金の指輪を溶かしてゴールドバーに精製されるように、琥珀の
インゴットを完成させたのです。
リファインドアンバーと名付けられた新素材は、経済産業省の
地域資源活用事業で、なんとベッコウのようなパターンも再現。
動物性でなく・命を奪わず、植物性の化石の破片を甦らせると
いう全くの"逆着想"から、新たな付加価値が誕生したのです。
35%の原石を磨いて、重さで価格を付けるのは昔の琥珀屋さん。
65%のカケラを精製して色・型を自在に再現し、デザインで提案
する久慈琥珀。
その最新モデルは今秋、銀座でテストデビューの予定です。
震災も、あまロスも越えて、着々と地域のリソースを大切に、
しかし科学技術と感性創造のイノベーションで次世代産業を
目指す。
地方創生の一つの例が、久慈にあります。
※まるでベッコウ細工のようなバターナイフ。久慈産琥珀の
カケラ100%から精製されたリファインドアンバー製です。
四方山雑記帳
東北・宮城・仙台マーケットの小ネタ小ばなし