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四方山雑記帳

東北・宮城・仙台マーケットの小ネタ小ばなし

2013年9月のアーカイブ

もうみなさまご存じ、盛岡で麺のソウルフードといえば、わんこそば
・冷麺・そして、じゃじゃ麺。
中学生頃から買い食いデビューして以来、パイロン通いのオヤジ
は多く、メシによし・小腹によし・つまみによしと、熱烈派は讃岐人
のうどんよろしく、こよなくコノ麺を食します。

酷な残暑の宵、齢八十にしてパイロン一筋ご贔屓の御大と一献。
まさに肴はじゃじゃ麺。

初めは岩手公園(盛岡城址)で、もっきりにじゃじゃ麺の屋台だっ
たのさ。それが、まず(とにかく)短気なダンナさんで、気に食わね
客が来れば、頭さ来て肉味噌の甕を何回も割ってお堀に捨てて店
じまいしたのさ。

不思議なもんで、それでも好きな客は屋台が出ればまた来る。
それから、何年もかけて店を持った大した(とても)苦労した人だ。

ところが、店を開けば今度は頼んだ順番無視して、後から来た客
に先に出してみたり、わざと待たせてみたりして、ダンナさんこっち
が先ですと言っても「ダメだ、後だ。」と、店の人も困るぐらいほんと
に頑固な人だった。

何でそんなことするのか、ある時おっかなびっくり聞いてみたら、
「じっと客の顔見れば、ほんとに食べたくて来たか、誰かに聞いて
来たんだか、わかる。
ほんとの客は、ほんとに食べたいから後でも遅くても喜んで食べる。
怒って帰るのは、食べることより順番だの面子だの気にする客だ。
二度と来なければ面子気にする客は来なくなるし、また来たときは
面子より食べたくて来るから、ウチにはいつも食べたいほんとの客
だけが来るようになるのさ。」

今なら、こんな店ないだろうねえ。

ダンナさんは客筋を絞る一方、食材には徹底してこだわり、味噌
はもちろん胡瓜も葱も、最上のものを惜しまずたっぷり使ったそう。
パイロンで、持ち帰りも山ほど付く肉味噌・胡瓜・葱・生姜・大蒜
にびっくりしたら、ほんとに食べたい客の仲間入りです。

客に選ばれる店づくりは大事ですが、一方で店が良い客を囲い
込む客選びもありなのです。
ただ、大概は間口を広くして、後で絞り込むのですが、ダンナさん
のように最初から間口を狭くするのは、ちょっとやそっとで出来る
ことではありませんね。

昭和から続く商売の秘訣、先達は味も手法もソウルフルです。

※画像と本文は関係ありません。

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この記事を書いた人

大志田 典明

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