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ちょっと知りたい不動産の一口知識

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2016年3月のアーカイブ

 昨年、「空家対策特別措置法」ができましたが、もし、自分の両親が住む実家が空家になったら、貴方はどうしますか?

 私は今仙台市の中心部に住んでいますが、もし郊外の自然は豊かだが、生活や交通利便性に乏しい団地に実家があるとしたら・・・。

 日本が抱える人口減少と少子高齢化は、今や将来の国土維持に関し、大きな問題となっています。

政府は、地方創生などと声高々に地方活性化の方策を打ち出していますが、現実の問題として地方の活性化に効果を上げているとは言えないのが実情です。

今や日本は首都圏一極集中で、地方の若い労働力はすべからく首都圏へ流れているのが現状なのです。

これには地方行政の在り方にも問題があります。何せ地方の小都市には若者を雇用し活躍で来る企業が少ないとともに、若者が意欲を掻き立てる業種や楽しんで働く場所が少ないことがい大きな原因となっています。

そんな中、一旦首都圏に就職した若者はそこで結婚し家庭を持ち、雇用の場所が少なく生きがいの少ない故郷には二度と帰らないのです。

仙台でも泉区など良好な住宅地と言われた処には、当初は中高所得者の夫婦が競って戸建を建て、住んでいましたが、子供が成長し首都圏へ就職してしまうと、高齢となった親は、住まいが中心部より北にあるため雪が多く、また丘陵地の開発故、坂が多いため冬期の外出もままならず、中心部への移転を考えるようになります。

ましてや、ご両親が亡くなった家屋を欲しがる子供も無く、相続しても首都圏に住んでいるため管理することもできず、朽ち果てていくしかない運命となっています。

私の在京の多くの友人たちも、故郷は首都圏から遠く離れ、実家を相続しても誰も住むわけではなく、そのままの状態で置かれているのがほとんどです。

今回施行された「空家対策特別措置法」は、そのような空家を地元の活性化に寄与するならば、解体費や修繕費を補助しましょうという、なかなか良い法律ができたと思っていますが、補助金の半分は地元行政が負担することが原則で、地元の行政が負担する額以上は国は負担しないという法律になっています。しかしながら地方行政の財政は、少子高齢化や人口減少で収入は軒並み下がり、とても補助金まで手が回らないのが現状で、せっかくの良い法律も、十分に活用できないのではないかとも思っています。

木造とはいえ、維持管理さえしっかりすれば、まだまだ大いに活用できるのです。東京の友人は実家の維持管理ができるのならばタダで貸してもいいとまで、考えていますが、なかなか思うようには進みません。

少子高齢化社会の今は、既存の家屋を活かし、時代を担う若者の起業促進のための利用や生活・行動の拠点として活用する方策を如何に導いて行けばよいのかの良策を考えることが、地方行政にとっても再開発などに比べれば財政支出も極端に少なく、地方活性化の起爆剤になるのではないかと思っています。活用2.png

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松本 真明

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