私が所属する一般社団法人「ベトナム住宅研究会」は、３０年余の付き合いのある東京時代の友人と設立した会社である。

平成２１年秋、いつものように仲間５人と新橋の寿司弘で飲みながら談笑していた話の中で、ハウスメーカーの常務が「少子化の影響もあり、国内での今後の住宅産業は先細りになる。ついては今ベトナムの経済発展が素晴らしく多くの国が投資をして、国造りに加担している。我が社もベトナムでの住宅建設ができないか、模索しているところなんだ。」と。何にでも興味を示す我々は、即、「ベトナムに視察に行ってみよう」となり、平成２２年春に第1回のベトナム視察旅行が行われた。

その後、平成２４年、平成２６年と２年毎にベトナム視察を行っているが、訪問するたびにその経済発展の凄さ、都市基盤整備の早さに圧倒されている。また、ベトナムの勤勉な国民性と親日な対応、日本人の舌に合う食、廉価だが質の高いお土産等、常に満足して帰国している。

ベトナムが世界第2位のコーヒーの輸出国なのはご存知だろうか。コーヒーと言えば、ブラジルやコロンビアの南米地域やアフリカなどを思い浮かべるが、ベトナムのコーヒーは香りの良さと、飲むとほんのりと甘い味がして、とても私は大好きで、昨年もスポーツバック一杯のベトナムコーヒーを買ってきた。

ベトナムには特別な高級コーヒーが存在する。ジャコウネココーヒーとリスコーヒーである。コーヒー豆は熟するほど香りが際立つのだそうだが、一般的には適当に熟した豆を摘み取り精製して市場に出すそうである。

畑にはジャコウネコやリスが徘徊し、本当に熟したコーヒー豆を食べ、種だけを糞として排出していくのだという。お腹の中で発酵した豆の匂いがあまりにも良かったために、その種を洗い乾かして精製し飲んだところ、得も言われぬ芳醇な香りのコーヒーだったという。

と言うわけで、コーヒー売り場には一般的なコーヒーとともに、高級なリスコーヒーが売られている。ジャコウネコのコーヒーは、量が少なく貴重な高級コーヒーとして、店舗などでは売られておらず、生産地での時価売りではないかと思う。１００グラム１００００円くらいはするのではないだろうか。

今回は、リスコーヒーを初めて買ってきて、過日、マンション内で行われた「ベトナム・ナイト」の講演会で披露し、参加者から絶賛を受けたのである。