仕事のあと、思わず手を伸ばしてしまう焼き鳥がある。
そこは精肉店で、平日の夕方から小脇の窓から焼き鳥を売り出す。
窓には七輪が3つ程置かれ、その下のショーウィンドに焼き鳥が並ぶ。
注文すると七輪で焼いてくれる目にも美味しいお店だ。
お気に入りは塩味で、七輪のに焼き鳥を置いたあと粗めの塩がふりかけられる。
口に入れた時、キュッと広がるしょっぱさを思うとたまらない。
最近、気温も上がっていき、そろそろあのお店の目の前で
酒盛りをするご近所さんが現れるのだろうと思うと顔がにやけてしまう。
私の生まれ育ったところはそういったお店もなく、夕方には帰宅を告げる
こどもの声が聞こえるくらい。
なので、住宅街のど真ん中にあるそのお店でワイワイと賑やかな様子を見ると
お祭りでもないのになんだか楽しくなってしまうのである。