最近、データ入稿の仕事でトラブルが多くなってきたものにJIS2004(正式にはJIS X 0213:2004)とJIS90(JIS X 0208:1990)文字の問題があります。
2004年にJIS規格文字のうち168字(MSフォントは122字)の見直しと、10字の文字が追加になりました。
詳細は下記サイトなどを参照して頂きたいのですが、例えば「辻」は左側の「しんにょう」2点が現在の文字ですが、JIS90では右の一つ点でした。「葛」、「飴」なども変更になっています。
問題はPCのOS環境によってフォントの規格が違うということです。
WindowsではVistaからMSフォントにJIS2004が採用されましたが、それ以前のOS(XPなど)はJIS90の規格でした。
WindowsXPからVistaにデータを送った場合に上記の文字が自動的に置き換わります。
外字フォントが対応できない場合は「・」などに文字化けを起こして見分けることができますが、書体(文字コード)自体には問題がないためファイルを開いた際に置き換わってしまい確認の取りようがありません。
対処方法としては、データ入稿時のOS確認と出力見本を付けてもらい校正で確認することになります。
印刷物に限らずXPとのデータをやり取りする際には、必ず起こる事象ですので人名などには特に注意が必要になってくると思います。
vistaの発売当時にこの書体の問題は少し話題になりましたが、その時点ではほとんどのPCがXP以前のOS環境でした。当社も問題になるようなことは無かったのですが、先日XPのサポート問題があったように現在約40%がXPを使っており、新しいOSへの移行も進んでいない状況というのも問題の一因かもしれません。
ちなみにMacOSではJIS2004とJIS90の書体を持っているものがあります。「ヒラギノ角ゴ Pro」と「ヒラギノ角ゴ ProN」は「N」が新しい2004規格になっています。
(追伸)
マイクロソフトもその後Windows Vista 用 JIS90 文字フォントパッケージを配布したのですが、印刷会社としては入稿時のOSの確認だけでは把握できなくなり、さらに問題を複雑にしているのでした・・・