患者さんからノーベル賞の金メダルを頂きました。このメダルはチョコレートなんです(笑)スウェーデンに旅行にいかれ、ノーベル博物館ギフトショップで買ってきたのだそうです。金ピカのお土産は嬉しかったです。
行かれたのが今年の1月でしたので、新型コロナウイルス 感染拡大の影響前で帰国するのはギリギリ間にあったとのこと。娘様がスウェーデンのカロリンスカ研究所にいるので毎年行かれるのだそうです。羨ましいですね。カロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)はスウェーデンのストックホルムにある医科大学で、スウェーデン最大の研究教育機関となり、ノーベル医学生理学賞はこの研究所の選考委員会から発表されます。
現在急速に広がる新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)に立ち向かうべく世界の研究機関がワクチンや治療薬の開発に取り組んでいます。その一つに2000年に設立されたベリンツォーナ・バイオメディカル研究所(IRB)があり、ここは免疫防御メカニズムの分野において国際的に権威のある研究機関となっています。この共同研究にカロリンスク研究所も加わっています。この研究機関はCOVID-19の治療薬、ワクチンは最短で2年くらいは掛かるだろうといっています。
ノーベル医学生理学賞を受賞した北里大学の木村智特別栄誉教授が開発に貢献した抗寄生虫薬「イベルメクチン」が新型コロナウイルス 感染症治療薬として承認を目指すため治験が実施されています。米ユタ大のチームは、新型コロナ患者千四百人を対象に治療の比較として調べました。別の治療を受けた患者の死亡率は8.5%だったのに対して、イベルメクチンを投与した場合は1.4%となっていました。今後に期待したいです。しかしこの薬の原料は中国に依存しています。国内に供給体制を作ることが課題となっています。
新型コロナウイルス は人獣共通感染症とされていますが、その起源については色々議論されています。今回オーストリアのディーキン大学のグループが、ウイルスの起源を追跡するためAI技術を用いた研究を行いました。ウイルスの遺伝子配列を調べたとのこと。その結果今回のウイルスはコウモリやパンゴリン(和名センザンコウ)が宿主であった仮説を支持するものでありました。遺伝子という大量のデーターから有意な情報を抽出するAIに今後大きく期待します。
金メダルのチョコレートは美味しかったです。ビターなんだけど少しクリーミー。今日の診療が無事に終わったことに安堵感を感じ、明日もスタッフ共々頑張ろうと思いにふけながら食べました。新型コロナウイルス とは長期戦になることは間違いありません。心に少しだけ余裕を持ち緩急をつけながら進んでいきたいものです。