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黒ひげのモノローグ

口・健康・食・旅、歯科医のひとりごと

2015年2月のアーカイブ

歯医者さんで歯型を取って銀歯を詰めた経験はありますか?まれにキャラメルなどを食べているとくっついてポンと取れることがあります。急にガリっとしてびっくりします。

この詰め物の金属のことを歯科界ではinlay(インレー)と呼んでいます。歯科医師でinlayを知らないのはモグリです(笑)。

このinlay、本来の意味は象嵌なんです。象眼ともいいます。象嵌とは、一つの素材に異質の素材を嵌め込むことです。金工象嵌、木工象嵌、陶象嵌等があります。

象嵌発祥の地がシリアのダマスカス市で、この地から西進し、エジプトを経て13世紀の頃スペインの首都トレド市で栄え、東進して中国、朝鮮を経て14世紀に京都に伝わりました。スペインのトレドの象嵌細工は有名です。

日本では京象嵌が有名です。江戸時代の職人が優れた象嵌を生み出し、その技術は越後・加賀などに広がっていきました。仏像や刀のつば等の装飾に用いられてきました。現代ではアクセサリーや装飾品にその技術が生かされています。

専門馬鹿にならないよう百学連環のごとく知見を広げたいものです。

※画像と本文は関係ありません。

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柏崎 潤

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