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マクロの眼

プロジェクトエンジニアを僭称(?)中

「光のページェントのナゾ」カテゴリのアーカイブ

仙台最凶リア充観察者として知られるカサマ。冬のイルミネーションのリア充撮影はお手の物で、かつて光のページェントのコンクールで入選して1年分のジュースをもらって正直困ったほどの実力派。

しかし、東北は仙台以外に「リア充スポット」としてのイルミネーションエリアが少ないよなぁと思っていた矢先、驚くべき伏兵を発見してしまったですよ。

2018年12月22日 宮城県柴田郡

【発展途上を愉しむ】
モニターツアーで移動しつつも、大河原さくらイルミネーションもしっかりFacebook上にスポット新規登録という、高速のシゴトぶり。
自画自賛

それはともかく、去年から始まった大河原町のイルミネーション。

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今年は4万個の電球で、徐々に毎年増やす構想。

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桜の片側だけに電球が付いているのは、ある意味で今しか見られない光景。

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ちょっと寂しいかな?と思ってふと振り返ると、後背の蔵王と冬至の赤い夕焼けで、壮大なイルミネーション風景が。

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ああ、これは他では見られないな。

何もかもが縮小していくこのご時世。

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そんな中で、これから何年も続く、何年も成長する、その貴重な時間風景を毎年楽しもう。

2018年12月22日 宮城県柴田郡

【発展途上に驚く】
大河原町の桜イルミネーションからハシゴして、今度は「一目千本桜」のもう1つの一角である船岡城址公園に潜入するなど。

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驚いたのが、知らないうちに電飾エリアが恐ろしく拡大し、かなりのボリュームの光の量になっていたこと。
それもそのはず。
当初震災後に5万個の電球から始まったこのイルミネーションも、今や22万個にまで8年で成長している。

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「仙台光のページェント」の1/3の規模にまでなっていると聞けば、その意外な実力が想像できるかもしれない。
観光客も多く、スロープカーは15分待ち。多様な展示があるので、見応え十分。

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首都圏でいうと、立川の昭和記念公園のイルミネーションのような多様さと意外さがあるが、町民が空き缶ペットボトルを駆使した手作り感もあってそれが良く、行くと普通に1時間以上は鑑賞できて満足感が高い。

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外国人モニターツアーの参加者からは、「ただ木が同じように光っている仙台の光のページェントより楽しい」、との視点の意見もあり。
今後も毎年少しずつ規模を拡大する構想らしく、ここ、東北を代表する冬のイルミネーションスポットになるやもしれぬ。

(捕捉)

かつて学生のころ、ちょっと懇ろになった女性を立川の昭和公園イルミネーションデートの誘ったところ、「寒いからいいです」ロジカルにお断りされたやけくそ本気モードで独りで撮影に行ったところ、殊の外撮影が面白すぎて時間を忘れて撮影に没頭してしまい、「いやぁ、独りで来てよかったなぁ」と本気で思い、「イルミネーションをアベックで来るなんざ、シロウトの所業。プロは一人で見に行く」という、謎のプロフェッショナル意識発揮するようになって今に至っているカサマ。

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それはともかく、わずか数年前まで光の量も観光客も少なく、正直「なんだか寂しいイルミネーションだなぁ」と思っていた「しばたファンタジーイルミネーション」。

ところが今回、某モニターツアーのアテンドで訪れたところ、全く別の世界が広がっており、観光客あふれる船岡城址公園を見て驚愕したですよ。電球の数はいつの間にか4倍の20万個を超え、宮城県内では第2位、東北全体で見てもいつの間にか(同数)4位にまで成長しておる。

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必ずしも電球の数がイルミネーションのすべてではないとはいえ、船岡城址公園の山頂とスロープカーの沿線に集中的に電球を配置しているため、他の同数のイルミネーションよりずいぶんと豪華に見える。特に山頂から広がる夜景も相まって、リア充度抜群。変な話、光のページェントよりも時間をかけて見どころを作りやすい。

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ところが、Web上ではほとんど情報がなく、例えばWalker+のイルミネーション記事にはランキングどころかそもそも名前が載っていないのです。これはまさに「知られざる実力派」というやつです。

一方で、事実上今年から始まった「おおがわら桜イルミネーション」。

これも数年かけて成長させる予定とのことで、既に船岡城址公園山頂からの見たその様子は、あたかも春の桜の季節の桜のライトアップのように、ずいぶんと輝いて見えます。

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現在は別々の名前とイベントとして行われている両イルミネーションですが、船岡駅前の5万球と大河原駅前の「おばんなりスター」、「おおがわら桜イルミネーション」、そして「しばたファンタジーイルミネーション」、この4つを合わせると十和田のイルミネーションを越えて既に東北3位の規模になるわけで、春に「白石川堤一目千本桜」という共通ブランドを結成したのに続き、いっそのこと「冬の一目千本桜」のコンセプトとして訴求すれば、そろそろ光のページェントに飽き気味なアベック・センダイ人たちを呼べるのではないか?と、畏れながら仙台最凶のイルミネーション・リア充ハンターとして意見具申するであります。

とりあえずWalker+に広告打った方が良いかも・・・。

東日本大震災の経験と、光のページェントを通したエネルギー問題への認識から、石油ストーブ導入により化石燃料(灯油)を燃やしたおかげで原子炉に頼らないエコ生活と光のページェントの開催を支援する、通称「プロメテウス計画」を達成させたカサマ。

しかし、この偉大なる成功の中でも、何かが腑に落ちません。
エネルギー問題を前にして永い思考の末、いま私がすべきことは「光のページェント」でのカップルの撲滅ではないのか?

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という間違った結論を速攻で導きつつある中、ふと、そもそもオイルは何に使われているのだ?という疑問が脳裏にわいてきたのでした。

さっそく具宇愚瑠先生に聞いてみたところ、こんな回答が。
自動車の燃料用(動力) 38.3%
化学製品の原料用(原料)20.2%
家庭・商店・事務所用(熱源)14.1%
鉱工業の原料・燃料用(熱源)10.6%
電力用(熱源) 9.3%
電力用途は9.3%。
原発を維持するのか?いや気候変動を覚悟で化石燃料を燃やすのか?
国論どころか世界の人々の感情対立をまねいた悲しい問題。
その双方の想いに共通するのは、なんだか石油は使わない方がいいんでねすか?という本能ともいえる「石油フリーのココロ」・・・!
しかし、これ見ると一番悪いのはクルマにしか見えないのですが、実のところ原発問題は人類社会の抱えるエネルギー問題というのたまたま見えやすいごく一端に過ぎないのかもしれません。
しかし、車好きが多いこの宮城県では、原発や二酸化炭素を悪く言うヒトは多いものの、鉄ヲタの亜種である極度のライト・レール・トランジット・マニアを除けばクルマを悪く言うヒト科にあまり会ったことがありません。
そうはいっても何しろGDPの3%を占める自動車産業。マスコミはもちろん、我ら宮城県民が大変お世話になっているトOタ様に文句も言、ん?こんな時間に玄関チャイムが?か来たようだが(略
 

    |┃三     , -.―――--.、
    |┃三    ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
    |┃    .i;}'       "ミ;;;;:}
    |┃    |} ,,..、_、  , _,,,..、 |;;;:|
    |┃ ≡  |} ,_tュ,〈  ヒ''tュ_ i;;;;|
    |┃    |  ー' | ` -    ト'{
    |┃   .「|   イ_i _ >、    }〉}     ____________
    |┃三  `{| _;;iill|||;|||llii;;,>、.!-'   /
    |┃     |    ='"     |    <   話は全部聞かせて貰ったぞ!同士、君は
    |┃      i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {     ?  今日からサハリン2で石油採掘だ。
    |┃    丿?  ̄ ̄  _,,-"ヽ     ?
    |┃ ≡'"~ヽ  ?、_;;,..-" _ ,i`ー-     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃     ヽ、oヽ/ ?  /o/  |    ガラッ

――11か月後 (ブログ更新停滞) ――
そんな亘理の中古屋でとっくに生産終了したダイハツ「ミゼット2」32.8万円で見つけて、「おれ、この仕事が終わったらミゼット2を買って彼女と泉ヶ岳に星を見に行んだ」というフラグを立てたものの、ミゼット2より彼女作る方がだと気づき、あげく数年後には津波で亘理の店ごと流されていた事実の前に、どうあがいても結婚することもミゼット2に乗ることもできないと落胆したほどクルマが好きなカサマ。

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宮城大学の恩師、アン・マクドナルド先生の愛機「ミゼット2」。

イカス。

しかし一方でカサマは、既に四半世紀前よりガソリンも電気も不要な「ヱクセリヲン」級の運用を開始していたのでした。
スーパーヱクセリヲン級(4代目:走行距離4万キロ程度)
南方戦線DSCF0975.JPG
沖縄伊計島にて。
21世紀初頭にはモータリゼーションによるエネルギー問題を予想してか、仙台から沖縄まで自転車で30日ぐらいかけて移動(実話)していた真の21世紀型人類のカサマとしては、より人類の英知を結集した移動方法に挑戦し、全世界を導かなければなりません。
そこでエネルギー問題の根本を解決すべく、脱原発でも原発推進でもなく脱クル(ピー)によるアウフヘーベン(止揚)を目指した移動手段のラダイムシフト、通称「サンタクロース上陸作戦」の発動に至ったのでした。
(つづく)

のページェントで使用される電力を相殺するため、ごく個人的に自宅の電力消費量を抑制する趣味的節電プロジェクト、通称「プロメテウス計画」を発動したカサマ。

サンタカーDSC_6335.JPG
フラッグP1090102s.jpg
普通のマンションなのにオール電化を目指し、風呂のお湯以外は全て電気化してしまい、かつて女川原発のイベントで科学御兄さんのボランティアをして子供たちに原子力の素晴らしさを伝道してきた輝かしい過去を持つカサマとしては、「外部交流電源を(なるべく)使わない生活を目指す」というのは、まさに自分の半生を否定するほど、大きな意思決定なのです。
しかし、時は21世紀。
では一体どんなエネルギー源が?
原子炉か?
対消滅炉か?
縮退炉か?
はたまた波動エンジンか?
波動エンジン.jpgのサムネール画像
さんざん悩んだ末に、11月にカサマが自宅マンション「王の丘」に導入した、自宅内の代替エネルギーはこれ。
プロメテウスP1010468.JPG
灯油ストーブ 
諸元
燃料:灯油
暖房出力:2.25kW
寸法:551 x 388 x 405
重量:8.5kg
消費電力:点火時のみ必要(単2電池4本、マッチ点火可能)
点火時以外は電池電源を使う必要がなく、しかも最悪の場合チャッカマで点火可能です。再び今度は慶長大地震・大津波級の災害に襲われて全交流電源喪失しても、暖を取るだけでなく給湯も可能であり、その安全性と多機能性は沸騰水型原子炉(BWR)Mark1をはるかに上回ります。
素晴らしい
あの震災を経験したセンダイジン達が殺到し、今となってはヨドバシカメラ仙台店などでは品薄で買えなくなってしまった15%出力調整機能付き灯油ストーブ。
驚くべきは、そのマルチロール性でした。
(1)暖房
5.5畳の中途半端なダイニングキッチンならまったくOK!むしろ温度調整が限定的で、部屋は暑くなるので薄着でカレシを悩殺可能。灯油の燃焼臭が、昔懐かしい前世紀の記憶を呼び起こします。
(2)加湿器
なんということでしょう。ストーブの上に水を入れたやかんを置いたら、水蒸気が出てきて加湿器になったではありませんか!冬の乾燥はお肌の天敵。灯油ストーブのモイスチャー機能は、あなたの肌を10歳若く保ちます。
ゆげP1010473s.JPG
(3)調理コンロ
フライパンやなべを置けば、そこはもうあなたのマイキッチン。ガスコンロのガス栓を回すのも億劫なほど面倒くさがりのあなたも、簡単クッキング。女子力アップに一台いかが?
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(4)湯たんぽ
まさに時代はYUTAMPO!給湯機能を有した石油ストーブは、ジャパンのトラディショナルな道具を復活させます。お布団に入れておけば、以外にも5時間程度は持ちます。冷え性のあなたに最適。全世界に通用するこのガジェットは、ウィスキーの瓶でも代替できます。寂しい夜をウィスキーで紛らせているアル中気味のあなた。空瓶を使って是非ともお試しください。ただし低温やけどにはご注意ください。
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(5)光源
灯油ストーブの暖かい燈火が、あなたとパートナーの夜をロマンチックムードで盛り上げます。起動時に青い光が見えますが、チェレンコフ光ではないのでご安心ください。
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何故か勝手に独身女子をターゲットに置いた説明文章にしていますが、暖房、加湿器、コンロ、湯たんぽ、そしてロマンチック照明機能というスーパーマルチファンクショナルで燃焼熱を極限まで活用できるその実力は、建造中の世界最高効率を目指す新仙台火力発電所のコンバインドガスタービンに匹敵します。
いや、むしろガスタービンはロマンチックではなので、灯油ストーブの
興奮のあまりこの灯油燃焼炉に、「再び神から与えられた火」として「プロメテウス・リアクター」という全然ロマンチックではない名前を与えました。
そして迎えた電気の精算日。電気使用量削減効果は、さらに驚くべきものでした。
電気使用量
平成23年12月 130kWh (前年249kWh、前年比47.8%削減)
平成24年 1月 105kWh (前年297kWh、前年比69.8%削減)
恐るべし、「プロメテウス・リアクター」!!
あまりの効果てきめんに、小躍りしたカサマ。
化石燃料を各家庭で燃やしたおかげでエコ生活実現!
原発なんていらない!センダイ市民はみんな灯油を燃やせばいいよ
・・・。
しかし、何やら心に引っ掛かる気がします。
確かに電気の使用量は減ったが、何かの計算が間違っているのではないか?
ぼくたちはなにかこんぽんてきなまちがいをしているのではないか?
この時より調べれば調べるほど、電気なしではもはや成立しない生活を手に入れてしまった人類のの深さに、ため息をつかざるを得ない事実がいろいろと知ることになるのでした。
つづく

  1980年代、かつての少年たちの多くは、さすがに21世紀も10年過ぎた2011年にもなれば車は空を飛び、東北新幹線はリニアモーターカーに置き換わり、宇宙旅行は一般化。対消滅エンジンや縮退炉、波動エンジンの類の開発によりエネルギー革命が実現。あわよくばワープ航法の確立により、全銀河を巻き込んだ壮大な宇宙戦が繰り広げられているかもしれない、などと想像したものでした。

  10月10日発売!s.jpg

 ところが実際の2011年は、車はハイブリッドエンジンになって新幹線はようやく「はやぶさ」のごとくなったと思った一週間後には、予想もつかない大地震と大津波で原子炉すら制御できないありさま。我々人類の科学力は、ワープどころかようやくニュートリノが光速を超えたとか騒ぐ程度に過ぎなかったのでした。

全くがっかりだよ。
 
エネルギー革命どころか、電力消費ピークが連日97%越て真冬にカサマの職場の暖房が切られるほど電力に困窮している被災地仙台市。
 
そんな仙台の気温も心も寒い真冬の夜空を照らす「SENDAI光のページェント」。
  ページェント全体DSC_6314.JPG

 全国の皆様の支援により、各地より集められた電飾がそこかしこにある様子は、あたかもイルミネーションの全国大会の様相を呈してお得感たっぷり

 

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全国の皆様、ありがとうございました!
 
一方、その開催にはネットを中心に各地から電気的に異論もあるのも承知しております。
 
実際、ページェント撮影マニアであり、カップル観察のプロを自称するカサマですら、さすがにこの時期のページェントとデートは電力消費的にいかものか?と感じてしまったのも事実です。
 
そこでどの程度この光のページェントの消費電力量があるのか、仮説を立ててみました。
 
仮定条件
(1)ページェント特注の高輝度発光ダイオード一個当たりの電流は、色温度が低いLEDの平均と思われる20mAと仮定
(2)順方向降下電圧を2Vと仮定し、回路全体を勘案するとLED一個当たり2倍の4Vと仮定
 
 ページェントエクセル表.png
 

 上記計算によると、期間中のページェントの消費電力量は25世帯分の年間電力消費量に匹敵し、我らが東北電力の(東電から融通分も含めた)ピーク発電能力の0.00283%もの電力を占めるという驚くべき数値が出てきました。

 
0.00283%
 
なんてこった。
地震と津波で宮城県・岩手県を中心に死者・行方不明者2万人近くを出し、福島県から5万人もの人口が流出し、つい先月まで電気が回復していない地域が存在した東北地方にとって、25世帯分の年間電力消費量の節電をしなければページェントを楽しむことすら許されないとは・・・!
 P1010462.JPG
神よ、電気を使う罪深き人類をお許しください。
 
とはいえ、いよいよ原子の火がこの神州ジャポンより失われつつある現在。確かに電力量はともかく、ピーク時の電力使用を節約するのは有効ですから、せめてページェント点灯中に仙台市民の600台分のエアコンの使用を控えるぐらいの気合を見せなければ、センダイジンとして示しがつかないかもしれません。
 
そこで震災にも余裕で耐えた若林区のカサマ自宅マンション「王の丘」にて、原子炉、対消滅炉、縮退炉、波動エンジンに代わる新しい代替熱源創造による節電実験、通称「プロメテウス計画」が発動されるに至ったのでした。
 
(つづく)

SENDAI光のページェントの陰謀の謎を解き明かすべく、「ページェントでカップル撲滅作戦」を遂行する秘密組織の存在を検証した前々回。その存在を明らかにすべく、様々な文献やインターネット上を徘徊するうち、ある記事が目に付いたのでした。

Cafe Vita 「光のページェントと夢みる力」

http://flat.kahoku.co.jp/u/blog-seibun/EYgUF0KzeVL8Whjrpmi1/

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よくページェントを、「バブル真っ最中に浮かれた仙台商人たちが商店街振興のために始めた俗物イベント」という文脈の言い方をする方が、(何故か特に若いセンダイジン)結構います。
が、よくよく見ると始まったのは実は1986年12月というバブル前夜
むしろこれがスパイクタイヤの粉じん舞う仙台砂漠の夜を光で照らすという、小さな子どもから大人まで巻き込んだ壮大な市民運動だったことを覚えているセンダイジンが少ないのも、入れ替わりの激しい土地柄を考えると致し方ないのかもしれません。
とはいえ、この1986という時期は、400年前の仙台開府1600年と同様、この街の今後の400ほどのイメージを決定的に決めた重要なターニングポイントになっていた可能性があります。
この前後の歴史を振り返ってみましょう。
1985年 5月 仙台・青葉祭り復活
     9月 プラザ合意(バブルの遠因?)
1986年 12月 バブル景気開始
      同月 光のページェント開始
1987年 1月 NHK大河ドラマ「独眼竜正宗」放映
     3月 141ビル竣工
     5月 仙台すずめ踊り復活
     7月 仙台市営地下鉄開通
      '87未来の東北博覧会開催(~9月まで)
1988年 3月 泉市、秋保町、宮城町を合併
       東北電力サッカー部(後のブランメル仙台、ベガルタ仙台)創設
1989年 2月 SS30竣工
     4月 仙台市政令指定都市移行
1990年 3月 総量規制(景気後退の始まり)
     9月 ジャズフェス開始
1991年 1月 湾岸戦争「砂の嵐作戦」
     2月 バブル景気終了
     8月 カサマ、初恋の人にフラれる
     9月 仙台大観音(高さ100m)竣工
恐るべき攻勢。
現代の仙台を象徴するあらゆる要素が詰まっています。というか、それ以前の仙台は暗黒時代かどこかの平行世界にすら感じてしまいます。
このバブルの前後6年ほど、いくら日本中がバブルでGO!だったとしても、特にセンダイジンはどうかしていたとしか思えません。
ロスジェネとか言われている世代のカサマにとっては、もはや太古の昔の遠い国の出来事の感があります。
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問題は、この期間に始まったイベントなどが尽く自己満足のもので留まっているという点でしょうか。
数千人がすずめになって踊り狂うとか、数千本の紙の飾りで街を埋め尽くすとか、数百組のバンドが街中で謡い狂うとか、街中の街路樹にとりあえず数十万個の電球を括りつけて光らせるとか、繊細さとは無縁の単純明快で力業が多い仙台のイベントですが、これが尽くセンダイジンが自分達で楽しむためのもの。他人にお見せしようなどとは微塵も思っていません。まさにナウなヤングの新人類の生き方のようです。バカウケ。
いわばこれらは地域コミュニティーを維持するための、スケールだけやたら壮大な盆踊りのようなもので、ホスピタリティも減った暮れもありません。だから仙台にいる間は「人多すぎだべ」と迷惑がるものの、仙台から離れてこれらのニュースを聞くと異様に望郷の念を抱く訳です。
でもエンドーチェーンの「ツタンカーメン展」で考古学に目覚めたほど生粋のセンダイジンのカサマとしては、未来である21世紀的にこれではイカンと思うのでした。
そんなバブルの残照を大切に護っている仙台。
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そういう意味では、古都奈良が天平で、フィレンツェがルネサンスという歴史遺産で食っているように、仙台は今後も変わらずにバブルという歴史遺産で数十年、数百年食っていくのかもしれない、などと未来に思いをはせ、一人涙するカサマなのでした。

まずは一センダイジンとして、12月15日の配電盤火災による、週末をまたいだ1週間のページェント中止について、遠方から楽しみに来仙された皆様にお詫び申し上げます。

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AC-DCコンバータのショートによる火災という、電気機器の根本をなす基本トラブルについては、メーカーには猛省を求めたいところです。

一方、即座に伊達武将隊などの追加イベントやケヤキライトアップ作戦を柔軟に編成した関係各位、また時間を惜しんで2700にも及ぶすべてのコンバータを確認し、わずか4日間でこれのほとんどを調達・交換(よく在庫をかき集めたものです)というロジスティクス的には離れ業を行った現場の皆様お疲れ様でした。

完全再開まで時間がかかったとの批判もあるようですが、「断固として慎重な姿勢を一貫」した実行委員会の判断は、今回のクライシスマネジメントとしては、やや情報発信が遅れがちだった点を差っ引いても、常識的で理にかなったものだったと思います。

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一方、別の面で興味深い側面が見えました。
今回急きょ行ったケヤキライティングは、フィンランドでライティングを学んだ照明デザイナーの梅田かおりさんが担当されたようです。
フィンランドから召還した「本物のサンタ」を含め、今回の危機に際して、極東地域でなぜか特異的にフィンランド人脈が強い仙台の特徴が出た感があります。
ちなみに、今回のサンタ召還にあたり、日本の子ども達からサンタクロース協会なる結社(?)経由で、サンタに4万6千通あまりの手紙が送られたそうです。
そのうち、宮城県の子供たちが67%以上を占めて、ぶっちぎりでサンタ召還を実現したとか。
以前「仙台フィンランド健康福祉センタープロジェクト」に携わっていた者としては、そんなサンタ好きが高じて3万1千通も送ってしまう小さな市民の皆さんの漢気(おとこぎ)に乾杯です。
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余談ですが、カサマは以前このサンタさんと話したことがあります。
ただでさえ
「ヘイ!今日スオミ(フィンランド人)を見かけたぜ!だからきっと今日は良いこと有りそうだ、HAHAHA
という四つ葉のクローバーのようなジョークが欧州にはあるほど不思議な存在感を持つ少数民族のフィンランド人(人口は約500万人と、北海道並み)の、しかもサンタ氏と直に話したのです。
きっとカサマは、一生良いことが続くに違いないかもしれないような気がしないでもありません。
その経験から冷静かつ論理的に導き出した答えを言わせて頂くと、彼は本物です。
サンタは実在しているのですよ、全国の夢を忘れた大人の諸君。
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そんなわけで、本来は前回の続きで、もうほとんどの市民が忘れかけているこのイベントの驚くべき意味と、コンバータのショートよりももっと深刻な課題を書こうと思っていたのですが、忘年会のお酒続きで微妙に頭がもうろうとしているので、これは次回と言うことで。

   「デートで光のページェントを見に行くと、そのカップルは別れる。」

これは私が高校時代から言われていた都市伝説でした。そのような迷信の類にまったく否定的なカサマですが、ある日実際に自分にその災難が降りかかったことから、もしかしてそれには一理あるのではないか?と一時期にわかに信じ込みそうになったことがありました。
 
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しかし21世紀になりインターネットの発達のおかげで、どうもその類の「都市伝説」は日本中にあることが、いとも簡単にわかりました。
 
「デートで函館山からの夜景を見ると、そのカップルは分かれる」
都庁の展望台から夜景を見ると、そのカップルは分かれる」
「立川の昭和記念公園のイルミネーションの冬花火を見ると別れる」
「神戸ルミナリエを見ると、そのカップルは分かれる」 などなど。
 
これでは日本ではカップルは夜景やイルミネーションを見に行くことができません。
日本中の夜景撮影を楽しむ夜景撮影マニアの私は、おそらく一生ケッコン出来ないに違い有りません。
 
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こうした情報の氾濫から、いくつかの理由が考えられます。
(1) 社会学でいうところの典型的な「流言」現象
(2) 別れた当事者による夜景・イルミへのスケープゴートの感情の拡散
(3) 日本からカップル絶滅を目的とした秘密組織の大規模な工作
(4) 神がそのように世界をプログラムした
 
このうちあったらおもしろいなと思うのは(3)。
 
第一段階として、全国からカップルを引き裂くことに情熱をかける志願者を集めます。彼らのプロ―フィルは、おそらく最近つらい別れを経験した人々に違いありません。
勧誘者はこう言います。
「悪いのは君ではない。もちろん、君のかつての恋人でもない。すべては夜景が悪いんだ。」
 
そして、最近二人で夜景やイルミネーションを見ていないか?と、あたかもそれが原因であったかのように間接的に誘導します。経験豊富で、自信に満ちてふるまう勧誘者。最後にターゲットに対して「他のカップルを分かれさせるとあなたは幸せになります。」という類のインセンティブを与えるのです。
資金源は彼らからの会費。一見それは単なる婚活組織に見えるに違いありません。
「難しいことをする必要はない。単にその日会った同僚に、その日見た掲示板やSNSに、『夜景やイルミネーションは危険だ!』と伝えるだけでいい・・・。」
 
そうして彼らの組織は社会に根深く浸透していく。彼らは一つの意思の下で独立して判断し、動く。その組織は縦横につながり、有限であるが果てはない。一つを排除しても、他の「細胞」と「パイプ」は生き残るだろう。そう、あたかもこのインターネットのように
 
彼らは遠くから、その情報網を以てわれわれを監視しているかもしれない。
いや、もしかして、今この瞬間にもこの定禅寺通りをにやにやしながら歩いている工作員がいる
 
などと、自分の妄想に「くっくっく」と笑いを押し殺しながら定禅寺通りの光の空間を一人歩く、年の瀬のある日のカサマなのでした。
 
・・・
 
そんなもはや仙台の日常の一風景になった「ヒカペ」ですが、ある日、この「ヒカペ」が実はこの街の未来にとって、その命運を左右しかねない、とてつもないイベントであることに気づいたのです。
 
<次回につづく>

この記事を書いた人

笠間 建

笠間建 (コミューナ・トランスレーション・デザイン有限責任事業組合)

事業連携担当。
プロジェクトエンジニアを僭称(?)中。PEは本来は工場オペレーション用語ですが、調査分析・事業企画・計画・実行など、プロジェクト全般を広義に「エンジニアリング」してきたキャリアパスで、他に良い表現が見つからないので。2008年9月から2010年8月まで、社会人学生として東京で貧乏大学院生生活を送っていましたが、2010年9月に無事修了して仙台に戻ってきました。
趣味は自転車、旅行、写真。

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