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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2012年12月のアーカイブ

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先日、とある場所で見つけました。

黒電話です。

中々の美品でしたが、最近はボロボロのものでも見つけるのは大分困難になってきていますよね。

そもそも、今でも使えるのかなぁ、と思いましたが、ちゃんとアダプターなどがあって、モジュラージャックに差し込めるようにさえすれば、それこそ光電話でも通じるそうです。

ヤフオクで見たら、5,000円~20,000円くらいで流通してるし。

 

で、この「ダイヤル」式電話を見ていて、

「そういえば、『ダイヤル』自体を最近は見かけないなぁ」と思いまして、今回はその話題。

 

●言葉としての「ダイヤル」

そもそも、「ダイヤル」って言いますが、もとは英語の「Dial」ですので、どちらかと言えば「ダイル」の方が正しい気がしますが、それこそNTTの無料通話番号は「フリーダイル」が正式名称だそうで、「ダイヤル」がすでに和製英語として定着しているということだと思います。

英語の意味としては、円盤状の文字表示面を全て「Dial」というそうですので、日時計は「Sundial」と呼ばれます。

どうしても「ダイヤル」=「電話」のイメージがあるので、「ダイヤル」自体に「電話をかける」という意味があるように思ってしまうのは、日本だけかと思ったら、アメリカでも同じでした。

ダイヤル自体を見かけなくなっても、言葉としての「ダイヤル」が残っているのは、電話関係で「フリーダイヤル」とか「伝言ダイヤル」などの現役の言葉が生き残っていることと、この「電話をかける」という意味で使っても会話が成り立つからなんでしょうね。

でも、スマホ全盛のこの時代、おそらくすでに「ダイヤルして」と言われても電話をかける意味だとはわからなかったり、無料通話が何故「フリーダイヤル」と呼ばれるのか、不思議に思っている世代がいることは間違いないと思うのですが。

●電話の「ダイヤル」

あのダイヤルは、回転する毎にひとつのパルスを発生するようになっていて、1なら1回、9なら9回、0は10回のパルスを発生し、それを機械式の交換器が認識して番号を特定する仕組みなんだそうです。

多くの方がご存知のように、何故警察への通報は「110」番かといえば、ダイヤル式の場合、大きい数だとダイヤルが戻る時間が長くかかるため、素早い通報が可能なように「1」を使い、最後の「0」は、通報前に冷静になってもらうための時間だったんだそうです。

「119」番も同じ理由だそうで、警察と同じ番号にするわけにはいかないのと、「救急」にかけて最後を「9」にしたと聞いたことがあります。

プッシュ式の今となっては、全然関係なくなってしましましたが。

ちなみに、警察が110番で消防が119番というのは、日本以外でも台湾や中国で使われています。まぁ、中国の場合「救急」は別の番号で120番だそうですが。

もひとつちなみに「118番」通報というのもあって、こちらは海上に関する事件事故の緊急通報番号です。

 

●電話以外の「ダイヤル」

電話以外での「ダイヤル」っていうと何かなぁと思って調べてたら、昔のテレビに使われていた、という話が出てました。

でも、あれは「チャンネル」じゃないの?と思って、こっちも意味を調べてみると、チャンネル(Channel)はもともと水路の意味で、これが派生的に電波等の帯域=通話路の意味に使われるようになって今の意味合いになっていいるとのこと。

つまり昔のTVについていたのは「チャンネル(調整用の)ダイヤル」というわけです。

じゃぁ、指でつまんでグリグリ回すものはみんな「ダイヤル」なのかというとそういうわけでは無いようで、「文字盤」がないと「ダイヤル」にはならないようなんですね、これが。

でもこの際、とにかく、指でつまんでグリグリ回すものを身の回りで探して見ましたら、今の世の中、何もかにもデジタルで、ほんとに見かけないことにあらためて気づきました。

ウチの社内で見つけたのは、ラジオのチューニングやボリュームのつまみ(これもどうやら「ボリュームコントロール」などと呼ばれて「ダイヤル」とはいわれないようですが)とプリンターについていた手差し用紙使用の際に紙サイズの設定を切り替えるつまみ(こっちも「用紙設定切り替えスイッチ」となっていて「ダイヤル」とは言わない)ぐらいでしょうか。

 

●外国の電話の「ダイヤル」にあったアルファベット

今でも携帯電話やプッシュ式電話の番号ボタンにはアルファベットが書いてありますが、ダイヤル式電話でも海外製のものには各番号に割り振られたアルファベットが書いてありました。

たぶん、今時の人は、文字入力のためにひらがなと同じように割り振られているんだろうとしか思っていないんでしょうが、もともとは別の意味があったそうです。

日本語の場合、番号を語呂合わせでおぼえるというのは、よくあるパターンですよね。数字を音節に置き換えて、あの「ハトヤ」の電話番号が良い風呂で「4126」だったりするヤツです。

でも英語の場合こういう置き換えが出来ないので、アルファベットを割り振って行なっていました。

例えば、「CALL 1-800-APPLE-30」なんて広告で、APPLEの部分の番号が「27753」みたいに。

今でもアメリカの広告ではアルファベット表記の電話番号が結構あるそうですよ。

 

・・・実は、意味もなく、冒頭の黒電話が、ちょっと欲しいなぁ、と思っている今日この頃です。

 

 

この記事を書いた人

斉藤 一則

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