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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2012年7月のアーカイブ

ちょっと前の話ですが、組合のI社長から
「ウチの家紋が他のI家と微妙に違うんだけど、そういうのの由来とか、ちょっと調べてブログのネタにでもどうか?」
的な事を言われまして、それからしばらく家紋関係の資料やHP等を見たりしたのですが、
正直なところ、この家紋の世界が、深いこと、深いこと!

とてもじゃないですが、「ちょっと調べる」レベルで何か話にできるものでは無いことだけがわかったような次第でした。

とは言え、色々な家紋を見ているうちに、ふと発見したのが、

伊達家の有名な家紋の「竹に雀」の中のスズメが左右で違うということ。

そもそも伊達家は家紋が9種類もあって、その時々の有力者との関係性で、適当に使い分けていたらしいのですが、この「左右非対称」というのが、ちょっとおもしろいな、と。


で、それがこれ。

竹に雀.JPG

確かに、真ん中の雀のデザインが左右微妙に違う。
どうやら雌雄らしいですが、どっちがどっちかというと、よくわかりません。

おそらく、伊達家正式認定の「竹に雀」となれば、また微妙に違うのかもしれませんが。

ちなみに竹の葉についている白い点々は、ちゃんとしたデザインで「露(つゆ)」と呼ばれるそうです。
本家と分家でこの露の数が違ったり、雀の形が違ったりするらしいです。

そういえば、神社にいる狛犬も一対ですが、こちらも多くの場合は、向かって右が「阿」で口を開いていて、左が「吽」で口を閉じており、いわゆる「阿吽」で、物事の始まりから終わりを示していて雌雄一対だとか云いますね。

で、雌雄の左右はどうなっているかというと、結構諸説あるようです。

古来、左尊右卑ということで考えると、左が雄で右が雌なのかもしれません。古代の官僚制度でも、右大臣より左大臣のほうが偉かったりしますし。

でも、陰陽だと、「陽」を表すのは、「右」「男性」「開放性」とうことで、「阿」の方が雄で、反対に「陰」を表す「左」「女性」「内向性」は「吽」なので、こちらが「雌」、かと。

尤も狛犬は元来「高麗(こま)犬」で、朝鮮半島を経由して伝わってきた風習らしく、最初は左側が「犬」ではなくて「獅子」だったらしいので、そう考えると、そもそも「獅子」も「狛犬」も神獣なので、雌雄があったとも思えないのですが。

でも、狛犬によっては、ちゃんと片方に乳房がついていて、明らかに雌雄が区別できるものもあるそうです。

狛犬と言えば、先日とあるオーナー様からの依頼で、「自宅の庭にあるお稲荷さんのお狐様が地震で割れたので、新調したい」との依頼を受け、探したところ、このお狐さまも、一対で、やっぱり雌雄があると聞きました。

お狐さまも色々な形があるので、一概に言えませんが、私が話を聞いたのは「巻物」を咥えているのが「雌」で、「玉」を持っているのが「雄」だとか。
でも、このお狐さまのお祀りの仕方も、左右との関係で言うと、どっちがどっちだか、諸説紛々。
そもそも、頭が内向きではなくて、外向きにするのが正式とかの話まであり。


その他、門松も左右違うのが正式(使用する松の種類が雄松・雌松)という話とか、そういえば沖縄のシーサーも雌雄だとか、
どうやら左右一対でお祀りしたり飾ったりするものには、なんとなく雌雄をつけたがる傾向があるのかもしれません。


シンメトリーなんだけど、同じじゃないという感覚が面白いのではないか、と。

この記事を書いた人

斉藤 一則

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