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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2011年8月のアーカイブ

今年も去る7月23日(土)~24日(日)に一番丁三社まつりが開催されました。

サンモール一番町商店街にある「野中神社」と一番町一番街商店街の「和霊神社、そして、おおまち商店街の「えびす神社」 の3町合同の御祭りで、今年で32回目だそうです。

見に行かれた方もいらっしゃることと思います。

しかしながら、御祭りは見たことあっても、その神社自体にお参りに行ったことがある方は、結構少ないのではないでしょうか?

そもそも、その神社の場所も分からない人の方がほとんどだと思います。

なので、今回はその三社をご紹介したいと思います。

機会があれば、ぜひ三社めぐりでもしてみてください。

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■ 野中神社 ■

サンモール一番町商店街のYAMAHAさんの脇の路地を入っていくと、左手に幟旗が見えてきます。

そこが「野中神社」の参道入口です。

中に入っていくと、直角に折れ曲がった参道の先に、ビルに囲まれた不思議空間が出現します。

そこにあるコンクリートの土台の上にあるのが「野中神社」です。
DSCN5723.jpgのサムネール画像慶長5年(1600年)、家康よりこの仙台の地を拝領した伊達政宗が、翌慶長6年に仙台の町割りを実施した際に使用した「縄」をこの地に埋め、その上にこの「野中神社」を祀ったといわれていますので、約400年以上にわたって、この地に伝わる神社です。

現在の社殿は昭和63年に再建されたものだそうです。

ご利益は「縄」にちなんで「縁結び」と「商売繁盛」だそうです。

  

■ えびす神社 ■

藤崎さん本館の屋上に鎮座しているのが「えびす神社」です。

この季節は屋上ビアガーデンが開催されていますから、実は知らずに目にしている方もいるかもしれません。

鳥居の目の前で飲むビールと言うのも、オツかもしれませんね。

 DSCN5841.jpgのサムネール画像

文政2年(1819年)、藤崎さんがこの地で、もともと「得可壽屋(えびすや)」の屋号で呉服屋を始めた時に、商売繁盛の神様と言うことで、その敷地内に祀ったのがはじまりだそうです。

「えびす様」と言えば、その総本社は兵庫県西宮にある「西宮神社」ですが、こちらの「藤崎えびす神社」もその「えびす様」を勧請して祀ったそうです。

DSCN5843.jpg

その後、現在のビルを作る際にあらためて屋上に勧請して再建したとのこと。ご利益は当然「商売繁盛」です。

 

 

 

 


 ■ 和霊神社 ■ 

この神社も実は屋上に有ります。それもフォーラスの上に。

しかも商業スペースでないために、自由に立ち入りできる屋上では有りません。

私が行った時は、フォーラス1階の受付のおねぇさんにお参りしたい旨を告げると、「係りの者がご案内させて頂きます」と言われ、しばらく待つと、ごっつい体型の警備員さんが現れ、この警備員さんに従業員エリアからエレベーターにのり、屋上まで案内して頂きました。

自由に立ち入りは出来ませんが、お願いすれば誰でもお参りが出来るという神社です。

DSCN5851.jpg

そもそもの和霊神社は愛媛県宇和島にあり、その地元では非常に有名で大きな神社です。

元和元年(1615年)、伊達政宗の長男である伊達秀宗が、その宇和島藩に分封されたときに、その家老職として随行した山家清兵衛公頼(やんべせいべえきんより)と言う人がいました。

和霊神社の祭神は、この清兵衛公で、宇和島では「和霊(われい)様」と呼ばれているそうです。

DSCN5852.jpg

どうしてこの人が神様になったかといえば、簡単にいうと怨霊封じのようです。

清兵衛公はその当時貧窮にあえいでいた宇和島藩を立て直した中心人物だったのに、出る杭は打たれるで、妬まれて暗殺されてしまいます。

するとその怨霊なのか、暗殺した側に異変が続発した為に、その霊を和める為に藩主が神社を建てて祀ったというわけです。

 
 

DSCN5854.jpg

「霊」を「和める(なごめる)」神社なので「和霊神社」と言うわけです。
 

仙台にある「和霊神社」はその分社で、山家公頼公一族の子孫が東一番町に住んでいてその屋敷内に元々はあったそうです。

この子孫の方が明治初年に隣接の数戸と店舗を作ったのが一番丁商店街の元になったといわれており、戦災により台原に移され今もそこにあります。
フォーラスの屋上にあるこの社は、台原の和霊神社からさらに分社して祀ったものだそうです。

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ちなみに、この仙台の三社まつりの「三社」に、三越脇にある「金蛇水神社」が入っていると思っている人が大変多いようです。

正直なところ、実際の三社よりも目に付きますからね。

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もうひとつちなみに、全国的には「三社祭り」といえば浅草ですが、この「浅草三社祭」は仙台のように三つの神社の合同のお祭りではなく、あくまで浅草神社単独の例大祭です。

何故「三社」とつくかと言えば、浅草神社に祀られている「三社権現」という祭神に由来しています。

「三社権現」とは、浅草寺の由来にもなっている、隅田川で観音像を見つけた漁師兄弟2人とこの兄弟に観音様の功徳を説いた法師1人の3人を称えて祭神としたものだそうです。

「三社権現」は浅草神社独自の祭神ですから、全国に他にも「三社祭り」があるとすれば、おそらく、仙台と同様に三つの社の合同祭だろうとは思いますが。

(私の知る範囲では、ディズニーランドのある浦安にも三社祭りがあります。但しこちらは4年に1度だそうですが)

今週末は仙台七夕。

これが終わるとまもなくお盆ですね。

 

で、実は結構昔から、あの先祖の霊をお迎えする「お盆」と、
お皿を運ぶのに使ういわゆるトレーとしての「お盆」が、
意味的につながらなくて気になっていたのを思い出しました。

そこでによって、
じゃなくて例によって調べてみますと、
全く別物と言うことが判りました。


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そもそも、先祖をお迎えする「お盆」は、
サンスクリット語の「ウランバナ」という言葉が元になっているそうです。
 

「ウランバナ」とは、
「逆さに吊るす」と言う意味があるそうで、
亡くなった死者の魂が逆さに吊られて苦しんでいるということらしいです。
 

その原因はその死者が生前、
精霊や僧侶を敬う事がなかった行いにあるとして、
残された遺族が代わりに精霊や僧侶に施しをすることで、
その魂を救う意味があるとか。
 

とはいえ、
日本では様々な行事や考え方と習合して独自のスタイルになっていますので、
大分意味合いは違うように思いますが。

 

また言葉的にも「ウランバナ」と「お盆」は簡単にはつながりませんが、
変化の流れとしては、以下のような感じらしいです。
 

「ウランバナ烏藍婆拏」「烏藍婆那(どちらも「うらんばな」と読む当て字)
→(たぶんこの間も「うらばな」とか「うらばんな」とかあったんじゃないかと私は思いますが)
盂蘭盆(うらぼん)・「盂蘭盆会」(うらぼんえ)とも→(略されて)お盆」

 

つまり、トレーとしての「お盆」とは関係がないわけですね。
(一部では御供え物を置く「お盆」を象徴的に取り上げて「お盆」と言われるようになったとの説もあるようですが。)

文字としての「盆」は、「分ける」「皿」ですから、
「分けるための皿」=大きな皿とも、
「皿の上に分ける」=「分けたものを置く皿」=大きな皿とも解釈できて、
とにかくそういう道具の意味しかありませんし。
 

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ちなみに、「覆水盆に返らず」の「盆」は、
中央が丸くくぼんだ形状をしていて水を入れるもののことをいい、
お皿を運ぶ平らなトレー状のものではないそうです。
 

これもまた、
「何で(浅い)お盆に水を入れるのか?」とギモンだったのですが、
やっぱり別物だったのでした。
 

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お盆といえば、
「盆提灯」を出すわけですが、
この「提灯(ちょうちん)という言葉、
なんとなく当て字だと思っていました。
 

でもちゃんと音読みでそれぞれ「ちょう」「ちん」と読むのですね。
 

機能として「灯り」を「提げる(さげる)」という、
非常にわかりやすい表現なので、誤解はありませんが、
勝手にイメージで外来語っぽく(たぶん中国語とか)思っていました。
 

調べると、中国では、
日本で言う据え置き用の行灯も含めて「灯籠(タンロン)というそうです。
 

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そういえば、東北三大祭
(最近は花笠もいれて「四大祭」ということも多いですし、この間は「六魂祭」ではありましたが)
の内、

仙台七夕は祖霊を迎える祭りですが、
竿灯とねぶたは祖霊を送る祭りという違いがあるそうです。

 

例年、雨が多いといわれる仙台七夕ですが、今年は晴天に恵まれるといいですね。

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追伸:

その七夕の時(8月7日)に、
サンモール一番丁町商店街をめぐる「ぶらサンモ」という企画を実施する予定です。

界隈の路地等を歩きながら、町内のちょっと目立たないスポットをめぐるというものです。

15:00に壱弐参横丁前に集合し、
全行程2時間ほどの予定ですので、お時間がある方はご参加お待ちしています。

(※大変僭越ながら私がガイドを仰せつかりました。当日は温かい目で見守ってくださいますようお願いします。)

 

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DSCN5715.jpg

写真は、サンモール一番町商店街にある、壱弐参横丁入口の提灯です。

折りたためる提灯は日本の発明と言う話も有ります。

そういえば、山口県柳井市で有名な金魚の形をした「金魚提灯」は、

青森の「ねぶた」を参考にして幕末に考えられたらしいですが、

確かに「ねぶた」も大きく見れば「提灯」の仲間かもしれません。

してみると、ここでも仙台七夕は、提灯のある竿灯・ねぶたとは、

趣の違う御祭りなのですね。

この記事を書いた人

斉藤 一則

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