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ちょっと知りたい不動産の一口知識

借地権や立退き問題、分譲マンションの建替、大規模修繕から再開発まで、何でもお困り事や疑問にお答えします。

2013年9月のアーカイブ

以前にも、何故、伊達政宗は遣欧使節団を派遣したのかは記事にしましたが、昔からどうしても解けない疑問を持っていました。

それは、あの当時は中国や東南アジアとの交易や、東インド会社があるインド経由でヨーロッパに渡っていたものと思っていたのですが、政宗の遣欧使節団はメキシコ経由でヨーロッパに渡っているということでした。

何故、メキシコ経由でスペイン(イスパニア)・ローマに渡ったのか。皆さんは判っていましたか。

正使:ルイス・ソテロ、副使:支倉常長としてスペイン・ローマに旅立った一行は、実は東アジア経由では行けなかったのです。何故に?・・・それはソテロがイスパニアの神父だったから。

世界の歴史では15世紀頃より船による大航海が始まり、ポルトガルが喜望峰航路を見つけ、次々と植民地化していくが、イスパニアもそれに負けず新大陸を発見を目指していた。その結果両国間の諍いがたえずついにローマ法王の採決を仰いだのである。

ローマ法王アレキサンドル六世は、1494年に教書を出し、大西洋のアゾレス島を通過する子午線の東はポルトガル領、その西はイスパニア領とすることに決めた。そこで中南米での発見の陸地はイスパニア領とされたのである。

この当時の日本には、ポルトガル系の神父とイスパニア系の神父がいたのである。九州のキリシタン大名はポルトガル系であったが、政宗はイスパニア系と見られていたようだ。

九州の大名である大村・有馬氏などからローマに送った少年使節団は、インド洋を経て喜望峰を渡りローマに行ったが、遣欧使節団はインド洋を通れず、イスパニア領の呂宗から同国領のノビスバン(メキシコ)を通り、大西洋を横断してイスパニアに行くこととなったのである。

サンファンバウンティスタ.JPG

2011.3.11の東日本大震災から早2年半を経過しました。

震災当初、即時設けられた仮設住宅は当初2年間の期限付きで開設されましたが、それが3年そして4年と、なかなか高台移転計画や復興公営住宅の完成予定の目処がたたず、遅れに遅れています。

2013年5月の調査時点でも、戸数で約4万8千戸、11万人の被災者が現在も仮設住宅で不自由な生活を送っているのです。

政府も莫大な復興予算計画を立て、行政の職員も身を粉にして早期復興への活動を展開しています。が、その予算すら計画通り配分できず、復興は遅れに遅れているのです。何故なのでしょうか。

沿岸被災地の復興計画はほぼ出そろったようですが、なかなか実行に移されません。何故実行に移されないのでしょうか。これだけの未曾有の災害でしたから、多くの諸問題が壁となりその善後策に頭を痛めていることは容易に想像されますが、私が個人的に一番懸念している事は、

計画通りに住民が戻らない!

沿岸部の市町村が震災前の人口構成を確保するため、練りに練った高台移転計画や嵩上げ計画を作成しても、時間が経つにつれ住民が戻らない状況を目の当たりにして、再度計画の練り直しをせまられる。そしてその計画にも旧住民は対応できないでいる。

何故なのか。それは移転後の生活再建計画を住民は描けないからなのではないのかと思っています。生まれてから馴れ親しんできた故郷にまた戻りたい気持ちは大いにあっても、生活の基盤である働く場所の再建が見えないのでは戻るに戻れないのです。

住宅崩壊の再建資金に際しては、助成金が支給されましたが、小資本の地元企業の再建は後回しとなり、沿岸部に雇用の場所が再建されないのです。

私はこう思っています。沿岸部での再建には堤防の改築や地盤沈下による土地の嵩上げが必須の要件となりますが、その工事完成まで待てないこと。そして高台移転しようにも、そのインフラ整備や造成は企業の負担となり、小企業は全く再建の目処が持てず廃業せざるを得ないのではないか。

住民が戻らない沿岸部の堤防を幾ら高くして津波に対抗しても、嵩上げ敷地を造成しても、住民の戻らない計画では税金の無駄使いだと言われても、しかたがないことだと思います。

他地域に避難している旧住民が故郷に戻れるよう、生活基盤である雇用企業を住宅と同時に再建させることが、本当の復興と言えるのではないか。そのためにも有効な復興資金の活用を考えるべきなのではないかと思っています。

この記事を書いた人

松本 真明

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