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ちょっと知りたい不動産の一口知識

借地権や立退き問題、分譲マンションの建替、大規模修繕から再開発まで、何でもお困り事や疑問にお答えします。

2010年6月のアーカイブ

  ベトナムでのガイドは旅行会社の添乗員(ベトナム人)の他に、同行メンバーの知人である東遊(ドンズー)日本語学校の卒業生(日本留学経験者)数人にお願いしました。若きベトナム経済の先導者とも言える彼らは、日本で学んだ技術教育を祖国の発展に繋げようと、一生懸命で明るく快活な青年達でした。

今回の視察旅行は、ハノイ・ハイフォン・ホーチミンとベトナムを北から南へ訪問した訳ですが、ホーチミンでは夕食をドンズーの校長先生と卒業生を交えて歓談する機会がありましたが、その前に少しの余った時間を利用して、東遊日本語学校を訪れて見ることにしました。

1991年に現ホー校長により設立された東遊日本語学校のパンフレットには、このように書かれています。 『19世紀後半、フランスの植民地だったベトナムでは、「民族独立」の悲願を達成しようと、多くの愛国者達が武力蜂起を繰り返し、植民地軍に敗れては多くの国民が殺害されてきました。 20世紀初頭、ベトナムの愛国者ファン・ボイ・チャウは、独立運動の若き指導者を日本で育てようと、「東遊運動(日本に学ぶ運動)」を起こしました。 当時の日本は日露戦争に勝利し、隆盛期ににあり、ベトナムにとって日本は輝かしい民族独立のシンボルだったのです。 ファン・ボイは同志を募り、広く民衆から資金を集め、優れた青年達を日本に送り、自らも日本に渡り人生を民族独立運動に捧げました。 私達は、百年近く前に先人達が志した民族への思いを受け継ぎたいと考え、私達の学校を「東遊日本語学校」と名付けました。』 と書かれています。

生徒数は年間入学者が5,000人前後と言うことで、初級コースから上級コースに分かれており、現在まで約900人の卒業生を日本に留学させていると言っていました。日本にもホー校長の考え方に共鳴した多くの支援者が、留学生の支援をしています。東北には現在盛岡の技術専門学校に学ばせていると言っていましたが、私が仙台から来たことを伝えると、是非仙台の学校にも行かせたいので協力して欲しいとお願いされましたので、微力ながら何らかの形で協力したいと考えています。

余談ですが、日本では鎌倉時代中期に元(モンゴル帝国)により、1274年(文永の役)、1281年(弘安の役)の二度渡る元寇(蒙古襲来)を受け、見事襲撃を退けたことはご存じだと思いますが、その1年後にはベトナムに元の大軍が押し寄せたそうです。元は河に大船団を浮かべ河口へと進軍してきたそうですが、ベトナム軍は潮の干満を利用し、引き潮の時に河底に大量の木杭を打ち込み、満潮時に俎上してきた大軍をじっと待ち、干潮時に大攻勢を掛けて敵の大船団を航行不能にして勝利したと、ドンズーの卒業生が話してくれました。何かに付けて親近感が湧くベトナム滞在でした。

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前回お話ししたように、ベトナム市街地の住宅は連棟式の間口の狭い(約4m)高層(3?5階建)長屋形式ですが、皆さんはベトナムの住宅についてどのような感想をお持ちだったでしょうか。私は、ベトナムへ旅立つ以前は、「ベトナムの住宅は木造住宅が多いのだろう」と思っていました。なにせ亜熱帯地域ですし、木材も豊富だろうと思っていましたから。

ではなぜ、市街地の住宅はコンクリート住宅が一般的なのか・・・私見ですが、ベトナムには日本のように杉などの針葉樹はありません。木々は多くの場合、広葉樹で、高級家具に使用される黒檀や紫檀が豊富に取れる所ですが、ご存じのように硬木で、加工がしにくいのです。街路樹にも紫檀が植えられていますが、木造住宅の技術的な問題と、国産材が硬く加工がしにくいため、木造住宅は広まらなかったのではないかと思っています。

ベトナム戦争(1975年終結)後、35年を経過していますが、今や完全に復興し21世紀に入ってからは不動産バブルの波が押し寄せ、大都市近郊には大型複合団地の建設や計画が目白押しの様を呈しています。

滞在中4箇所ほどの大型団地を視察しましたが、いずれも河口の広大な土地を開発し、商工業及び住宅団地を配し、活気に満ちあふれています。その中でもホーチミン市の近郊に建設中の「フー・ミー・フン団地」は広大なマングローブ林を伐採した場所で、今最もベトナム人憧れの団地として、高い支持を受けている開発地です。行政施設や商業施設、高級戸建てエリア、商店やスポーツジム等を併設した高層コンドミニアム群など、河の流れを活かした、それはすばらしい眺めでした。

分譲マンションの価格をみると、とても聞いていたベトナム人の収入(大卒で月収2万円)では買い手がいないのではないかと思う金額(年収の約10倍?30倍)や賃貸料(日本と変わらない)ですが、即完売という状況が続いています。ベトナムでは外国人は不動産を購入することができないのですから、不思議ですね。

その話は、次回にでも・・・。

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