メンバーズブログ

マクロの眼

プロジェクトエンジニアを僭称(?)中

2011年3月のアーカイブ

今日は予定を変更して、仙台大観音シリーズをお休みして、東日本大震災に関する記事を掲載いたします。

2011年3月11日発生した東日本大震災。
震災2日後の13日夜には早くも営業していた国分町のお店には感心しましたが、津波到達地点まで2.5kmとやや危険地帯に位置する我が職場より、大津波警報が解除されていない時点で普通に震災翌日の休日出勤命令がメールで出ていたことも、感嘆に値します。
震災閖上sDSC_6074.JPG
それはさておき、震災翌日には仕事帰りに荒浜地区、翌々日には名取閖上などの最大被害地を直接見てさすがに絶望的な気分になったカサマですが、ヘリの爆音が轟く中、時々小鳥のさえずり以外聞こえない異様な静寂の中に包まれた被災地から河原町の自宅に帰ったとき、一つの決断をしました。
毎日外食しよう。
普段ほとんど外食しないカサマにとっては、この時期のこの決断は一見不合理です。が、あの光景をじかに見た後、まるで何事もなかったようなのどかな名取川の土手を自転車で走っているうちに、その落差のおかげかむしろ、異常なほど冷静に頭が回転しました。
震災名取川sDSC_6058.JPG
まず思ったのは、今後、備蓄のない家庭の場合は食料や水を貯めこもうという心理が働き、食料や料理のための燃料調達に異様に時間と手間がかかるだろうこと。むしろこの時期だからこそ食料調達と調理をアウトソーシングした方が、列に並んだり食料の残存量を気にするストレスから解放されるのではないか。中心市街地では震災翌日には電力が回復しているため、生鮮食品を処分する意味で、おそらく何かしらのカタチでお酒付の料理を提供する店舗が現れるでしょう。こういったものは、被災直後でさすがに心が折れかかっている一般の方々は並んで食べようとはしないはず。
次に思ったのが、「中小飲食店の仕入れと資金繰りが危機的だ」ということです。地場の中小飲食店では現金仕入れも多く、誰かが食べないと仕入れも滞るという負のスパイラルに陥る可能性がありました。しかも生鮮食品には寿命がある。よって、この水もガスも止まった状況で営業をしている漢気(おとこぎ)のある店を毎日回ることしか、消費者として今は貢献できることはないと自覚したのでした。
最後に、この震災はダイエットのチャンスだということ。仕事で食料調達や外食ができない朝食・昼食は備蓄食料にするとして、夕飯だけ外食にしても、一日の摂取カロリーは当面1,700Kcalを下回る計算になり、一日当たり1,000Kcal程度が不足するため、以下の計算式から震災生活で何もしなくても2週間で2kgの減量が可能になります。
所要量(1日) 約2,700Kcal(基礎代謝量 約1,600Kcal、自転車通勤とか)
1,000Kcal(不足量) ×14日間 / {9,000Kcal(脂肪1kg当たりの燃焼量)×(1 - 0.2(脂肪の20%は水分))}
   =1.94kg減少
このように、最大被災地ではない仙台のカサマが2週間程度、この非常態勢により燃料や保存食料の購入を行わないことで、小さな子供を抱えた家庭に物資が回りやすくなるでしょうし、三陸沿岸などの最大被害地に少しでも物資が回ることになるかもしれません。
こうしてカサマ流の地域経済貢献ロジスティクス貢献の一挙両得を狙った作戦、通称「カンパネルラ計画」が発動するに至ったのです。
そう、何かの計算が間違っていることに気づかずに。
(つづく)

―――1980年代半ば 仙台市中山地区―――

「今度近くに100mの巨大大仏ができるらしい」

今を去ること20年以上前、カサマが住んでいた天空都市「ナカヤマ」地区では、そのような噂が絶えませんでした。
ブログ用P1020038s.JPG
100mの大仏
ばかな、小学館の図鑑で見た奈良の都の盧舎那仏像ですら15mほどだったはず。それをはるかに上回る100m規模とは!
いったい何の目的で。
しかも話はそれだけにとどまらず、千葉ディズニーランドがオープン間もない当時、ニホン最大級の屋内遊園地の建設が、巨大大仏に隣接する地域で計画に上がっているというのです。
これで永遠のライバルである、同じように天空都市に住むあのやんやんややんヤギヤマの連中を、いよいよナカヤマ人が屈服させる時が来る!ナカヤマに住む子供たちは、大いに狂喜乱舞したのです。
ブログ用P1020060s.JPG
古くより蝦夷の聖地として知られ、仏舎利塔を頂点とした霊験あらたかなこの国見・中山地区。そんな神聖な地に、かつては奥州王伊達政宗が鷹狩りに興じ、この山中の高台から国家に思いをはせたと言います。
そしてその聖地ニホン最大級の屋内遊園地(繰り返し)とともに、20世紀の科学力と誣力の粋を尽くして100mの超巨大大仏が建設されようとしているのです。それもフタバソウゴウカイハツという地元のたった一企業の力において
兄弟四人が全員フタバヨウチエン出身のカサマ一族としては、誇らしい限りです。
しかも、この大仏の高さ100mとは、市制100周年を記念したというではないですか。
何と殊勝な。
おそらくこの超巨大大仏は仙台開闢以来最高の栄華を象徴する、偉大なる像となるでしょう。20世紀後半にこの地に「王道楽土」が現出したことを、人々は永遠に記憶するのです。
そう、かつて平城京にて当時の科学力と財力と人民の熱い思いが込められた盧舎那仏像のように。
ブログ用P1020057s.JPG
とにもかくにもナカヤマ地区では、その時期は町内会の会合では役員が「大仏」の経済効果を語り、主婦は藤崎スーパーで「大仏」のご利益を語り、フタバ幼稚園生は電力研究所の実験施設に侵入して、科学と神仏の最終戦争について、みな熱く語ったのでした。
・・・
しかしその王道楽土が、後に「バブル」という、古代バビロニア関係の何かのように呼ばれ、旧約聖書のソドムとゴモラの時代のような享楽世界として扱われ、そのあげく、まさかこの大仏ニホンでもっとも有名なバブルの象徴の一つになろうとは、このとき人々は知る由もなかったのです。
そう、実際にアレの影響が始まるまでは。
(つづく)

この記事を書いた人

笠間 建

他のメンバーを見る

  • ちょっと知りたい不動産の一口知識
  • 四方山雑記帳
  • hariu Blog
  • めっけもん
  • 仙台・宮城のうまいもの&直売所めぐり
  • コバチャンの深〜い話
  • 小さなギモン調べてみました!
  • 建築と風景
  • ぽらぽら物語り
  • ほっとひといき!
  • マクロの眼
  • ローカル・グローバル
  • トキの目
  • 空飛ぶ「こころ」
  • 黒ひげのモノローグ
  • まるでかく
  • 女将のつぶやき
  • インフォメーションブログ